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日蓮大聖人・池田大作

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十和田支部結成大会 最高の思想を背骨に

1961.2.21 「会長講演集」第2巻

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1  本日はたいへんにおめでとうございました。
 まあ、お話といっても、創価学会員は御本尊を拝んでしあわせになればいいと、これだけに尽きるのであります。けれども、さきほど辻先生からお話がありましたように、大御本尊様のお力を絶対なりと信じて、信・行・学に励んでいただきたいと、私は思います。
 私たちは自分自身も幸福になりたいし、また日本の国も平和であってもらいたいし、全世界が平和であってもらいたいということを絶えず念願しております。過去の民衆も、現在の民衆も、これからの同邦も、また同じ考えであると、私は思います。
 だが、日本の国だけみても、あまりにケンカばかりしていて、いつ平和になるか、いつ永遠の幸福を日本民族は保っていけるかということを考えたときに、悲しい思いをいたします。大きくみれば世界も同じです。いつ戦争になるか、いつ革命があるかわからないような世の中であります。
 では、真実に日本の平和を思い、世界の平和を思い、また、その裏づけとして、絶対なる大理念をもって、人々のために、平和のために戦っている人がいるかどうかということを考えたときに、それはおりません。あまりにも利己主義であり、卑怯な指導者が多くなり、利害だけで動き、名誉だけで人気をとっているような指導者が、偽善者が多い日本の国であり、世界の国になってしまっております。
 ただ一つ、日蓮正宗創価学会のみは、真実に人のことを思い、日本の平和と世界の平和を念願している団体であると、私は絶叫いたします。
 いずれの国をみても、その善悪は別として、論ずることは別として、どんな国でも思想は統一されております。必ず、なにかの思想を裏づけとしております。アメリカは唯心主義である。すなわち、キリストという一つの思想をもっている。わかりやすく概念的に申し上げれば、バイブルが教典であり、キリスト自身は本尊です。ソ連は唯物論という教典により、マルクスは一つの本尊です。それで実践しております。
 また、さきほどからお話がありましたように、ビルマやタイ国は小乗教の仏法を思想としております。釈迦の像を本尊としております。インドはヒンズー教という宗教を思想とし、いろいろな神々を祭っております。
 いずれの国でも、必ず裏づけの思想というものは統一されております。何百も何千も宗教が乱立して、思想の統一のない国は日本の国だけです。それでは、いつまでたっても、しあわせはありません。その思想も、アメリカもソ連もインドも、ぜんぶ外道です。因果の理法を説いておりません。
 日本の国は大乗の国であります。大御本尊様があわします国であります。それであるのに、言うことを聞かないで、なんでもかんでも宗教団体といえばバカにし、けなしている現状です。道理のうえから考えても、どんな国でも思想があり、本尊があります。今、日本の国に、世界最高の大思想であり、大宗教であり、また日蓮大聖人様が命がけでおしたためくださった本尊を拝むということは、統一しきっていかねばならないということは、理の当然であると、私は思うのです。今ごろキツネを拝んだり、仏がいけないと言う釈迦を拝んだり、阿彌陀を拝んだりしているのは、もっとも大きい誤りであります。
 また、思想統一の面においても、独断的に、この思想がいちばん正しいということは、これは科学的ではありません。非論理的ではありますけれども、いろいろと検討し、どっちの思想が高いか、偉大であるか、現実の証拠のうえに討究し、現証をみ、そしてひとつひとつ検討してみた場合、その最高の思想、哲学、宗教をもって、思想の統一をすることは、これとうぜんであり、道であります。そのように研究、討究、現証をもって、世界最高とはっきり断言しきっていけるものは何かといえば、これこそ日蓮大聖人様の大仏法なのであります。
 皆さん方は、大御本尊様を受持し、生活のうえに、厳然たる大功徳を受けていらっしゃいます。これらも広宣流布途上においては、いろいろな批判や迫害があるかもしれません。しかし、大御本尊様に師敵対すれば罰を受けるし、大御本尊様に、大聖人様にかなう思想も、人もいるわけはないのであります。ですから、願わくは、絶対なる確信をもって、仏法のことについては、宗教のことについては、私どもが教えてあげるのであるという信念をもって、進んでいっていただきたいと思います。
 私どもは大聖人様の家来であり、弟子であり、また子供であります。アメリカ人が日本にくれば、そのアメリカ人に力がなくても、アメリカという大国をバックにしていばりくさっております。ソ連人がいろいろな交渉にくる。その交渉にきたソ連人は愚かであっても、ソ連という大国がバックにあるから、そのメッセンジャー、代理としてくるのですから、力を大きくもって活動できます。
 今、日本の人がどこかの大使になったり、どこかへ外交官として行く。日本の国にはなんにも力がないから、まるで借りてきたネコ、また弱い女の人がウロウロしているような状態になっております。本人がしっかりしておっても、そのようにみられてしまいます。
 だが、このように貧乏に生まれ、不幸のドン底で生活をし、そこから立ち上がってきた私どもには、名誉も地位も財産もありません。けれども日蓮大聖人様のバックボーンがあります。そのお使いであるならば、天下御免で全地球上を闊歩することができると、なにも卑屈にならないで、堂々と大御本尊様を抱きしめ、日蓮正宗創価学会の襟度をもって、誉れをもって、この一生涯を楽しみきって進んでいただきたいと思います。

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