Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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杉並合同幹部会 三百万達成と国家諌暁

1960.5.24 「会長講演集」第1巻

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2  また、日本の国がどういう事態になったとしても、私どもは、日本民族のために働いていきたい。子供のためにも、子孫末代のためにも、敗戦の日本を、先輩は、いったい負けただけで仕上げることを知らないかというふうに笑われたり、大勢の日本民衆が苦しみきっていることを考えたときに、どうしても、まず、基礎として、これだけの陣営をそろえて、いざという場合には、時の総理大臣にも、天皇陛下にも、日蓮大聖人様のお教えを信ずる以外に、また大東亜戦争の二の舞いをしますよという、無言の国家諫暁をする態勢だけを、まず、整えておきたいと思うのでございます。
 そのことは将来として、ある学者が『今、日本の国は宗教ブームにはいった』と叫んだ人がおります。東大の助教授をやっておった新進の学者で宗教学の学者ですが、まさしく各教団が徹頭徹尾、新聞を作り、雑誌を作り、報道機関を通じて、宣伝に、PRに、やっきになっております。
 たしかに、科学でも人は救えない。最高の二十世紀の科学で、その科学によって民衆を、人類を救いきれない。反対に恐怖におちいっている。その反動が宗教にきて、政治でも、教育でも、どうしようもない現状のその反動が、また宗教にくることは当然の歴史の流れです。
 今、私どもは、宗教ブームというものをみて、喜んでいいと思うのです。
 『動執生疑』、疑いを起こして、執着を動かして、疑いを生ぜしめるのです。どうしても幸福になっていく道は宗教しかない。物質だけでもない、そういう思想が台頭してくるならば、みんな宗教哲学を勉強しはじめます。
 だんだん、だんだん、そういう心が瀰漫してきたときに『その宗教の根本は、色心不二の大哲学は、最高の功徳のある、力のある宗教は、これしかないですよ』と言いきれば『ああ、そうですか』というふうになる時代に、はいってきたわけなのです。
 したがって、ますます、これからは、宗教ブームになって、あらゆる宗教が活動を始め、あらゆる宗教が学会の悪口をいっても、なにも恐れないで、驚かないで、あればあるほど、信心するものが、日蓮正宗に帰依する人が多くなってくるチャンスなのだと見破って、折伏をしたいと思います。
3  最後に、大聖人様の御書のなかに『命已に一念にすぎざれば仏は一念随喜の功徳と説き給へり』とございます。一念随喜の功徳、喜んで信心活動するところに功徳が湧く。大御本尊様に題目をあげる場合でも、過去遠々劫の罪業が消えるのだ、未来永遠の福運を積んでくださるのだ、うれしいという感激の信心。また、教学部の会合がある、座談会がある、折伏に行こう、命令的に言われるから、しようがないから行こうと、いやな義務的な行動ではなくして、一念随喜、喜んで仏様のお使いをしよう、座談会にも個人折伏にも会合にも行こう、そういうところに人間革命があり、大功徳が湧き、福運が増すという大聖人様のおことばを信じて、それを実行して、楽しい人間革命と生活革命にいそしんでいただきたいと思います。
 最後に、皆さま方の御健康と御健闘とを心からお祈り申し上げまして私の話といたします。

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