Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

あとがき  

「美しき獅子の魂」アクシニア・D・ジュロヴァ(池田大作全集第109巻)

前後
2  この二つの文明圏では、近代西欧の物質主義に対抗し得る道徳性・倫理性が養われてきております。“欲望のコントロール”と利他主義への変革、大宇宙・大自然との調和、異なる文化への「寛容の精神」等が共通項として抽出されました。博士は、とくに、民族存亡の危機をいくども乗り越えて形成してきた、ブルガリア文化の「寛容性」を主張しております。
 本書は、精神の蘇生――「精神革命」を基軸に、それぞれの文化の独自性を生かしながら、欲求追求型の物質文明をも包括しゆく“創造性”と“強靭さ”を持ち、民族と人類の幸福のために貢献する方途を探求する対話となりました。
 二十一世紀に向けて、人類興亡史を飾り、多様な文化の華を咲かせている異「文化・文明」間の、実りある「対話」と「交流」の必要性が、いちだんと加速される時代となってきました。想えば、日本がブルガリアの独立を承認して、両国の交流が開始されてから、本年で八十年を迎えます。
 博士と私の思索が、「文明圏」間の対話への一つの先例となり、同時に、百周年に向けてのブルガリアと日本の、さらなる相互理解と啓発の「糧」となることを希求しております。
  一九九九年十一月三日 池田大作

1
2