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日蓮大聖人・池田大作

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序文  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

前後
2  ただし、私たちはまた、このたぶん決定的な歴史の転換期に生じた脅威や挑戦に対する人類の適切な対応をこれ以上大きく遅らせてはならないという両者の強い信念を強調しておきたい。世界の全般的状況は少しも好転しておらず、現今の危機がさらに深刻化する恐れは、きわめて強いといえよう。これに対して、人類が科学的知識や技術的手段の結果手にした限りない好機をこれ以上無視することも、また、自らの運命の改善のために絶えず役立たすべきわれわれの精神的責務を喪失することも、ともに断じて許されることではない。
 今日の主要な諸問題がいまなお精神的・倫理的な問題であるという点、そして、それらがいかに大量の科学・技術力や経済的手段を注ぎ込んでも解決できないという点で、私たちは同じ見解に立っている。
 これらの諸問題は、人間の最も内奥の領域に属するものであり、人間各自が自らの視野と価値観を深く改めるとき、われわれは初めて、自らをもし内面から向上させるならば決して打ちひしがれることはないという清朗たる希望をもって、それらを理解し、それらに取り組むことができるのである。
 私たちが可能と感じる人類の覚醒の緊要性と、その覚醒をうながしうる“人間革命”に両者が寄せる信念とに動機を得て、私たちは本書を『二十一世紀への警鐘』(Before It Is Too Late「手遅れにならないうちに」)と題した。
 池田大作/アウレリオ・ペッチェイ

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