Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

女子部の躍進を喜ぶ 広布の希望の未来は開かれた!

2006.5.12 随筆 人間世紀の光3(池田大作全集第137巻)

前後
6  大聖人は、女性の信徒を、こう励まされた。
 「たとえ妃になっても何になろう。天上界に生まれても何の意味があろう。我らは(女人成仏の道を開いた)竜女の跡を継ぎ、(釈尊の最初の女性の弟子である)摩訶波舎波提比丘尼の列に並ぶことができるのである。何と嬉しいことであろうか」(御書九七六ページ、通解)
 何不自由ない境遇に生まれても、人に羨まれるような、華やかな結婚をしても、決して幸せとは限らない。
 幸福とは、財宝でもなければ、容姿でもない。名声でもない。心が空しければ、本当の人生の幸福などは絶対に築けないのである。自分らしく輝け!
 物質の次元、社会的次元の名誉を超越した、もっと深くして確かなる幸福の大境涯がある。それを「信心」というのだ。「仏」というのだ。
 「心こそ大切なれ」と、御聖訓に仰せである。この信仰の「心」のなかに、仏はおられるのであり、無量無辺の幸福も輝くのだ。
 幸福は遠くに求めるものではない。自分自身の生命のなかにあることを知らなければならない。
 それを教え、永遠に崩れざる幸福を説き明かしたのが、仏法であるからだ。
 青春時代に、この一点を深く深く確信できるかどうかで、人生の幸・不幸、そして勝敗は決まるのだ。
 そのためにも、若き皆様方は、人と自分を比べるのでなく、「今日の自分」から「明日の自分」へ、境涯を開きながら、強く、朗らかに前進しきっていくことである。
 その戦いのなかで、自分でなければならぬ、尊き使命の花が、そして幸福の花が咲いていくものだ。
 ともあれ自分らしく輝け!
 自分らしく生き抜くのだ。
 自分らしく前進するのだ。
 これを大仏法では、「桜梅桃李」、さらに「自体顕照」という法理に説いている。
 女子部の花であるすずらんの花言葉は「幸福」である。
 信心は、絶対に幸福になるためにあるのだ。不幸を打ち破り、戦い抜いて、永遠の幸福を築くために仏法はあるのだ。信心はあるのだ。
 それは、戦うことだ。魔という不幸を振り払うことだ。そして、自分自身の本然に輝く幸福を光らせゆくことだ。
 一人ももれなく、幸福になる。それが、人生の目的だ。そして、信心の目的である。
 幸福のためには――
 「邪悪」との戦いがある。
 「苦労」との戦いがある。
 「惰性」との戦いがある。
 「魔物」との戦いがある。
 「仏法破壊の敵」との戦いがある。
 「宿命」との戦いがある。
 その戦いを全部、昇りゆく太陽の如く、わが生命を赫々と燃やして、勇敢にやり抜いていくことだ。
 かの伝教大師は、正しい仏法を求め、勇敢に実践する人こそが、まことの「国の宝」であると結論した。健気に、真剣に戦う、尊き皆様方のことである。
7  私の妻も、女子部時代、今日は座談会へ、明日は個人折伏へ――と、一生懸命に走り抜いた。
 さらに他宗教の寺や本部にまで行って戦い、大正法の信仰を貫き通して歩んだ。
 五十五年前に誕生した女子部の第一期生として、金の思い出の青春を宝の如く持ち続けている。
 古代ギリシャの詩人ピンダロスは歌った。
 「苦労をしたなら、後に続く喜びはそれだけ大きい」(『祝勝歌集』内田次信訳、京都大学学術出版会)
 その通りである。
 苦労のない修行はどこにもない。行動しなければ、いつまでたっても、幸福はやって来ない。
 山も谷もない人生など幻の話だ。現実は厳しいに決まっている。現実は「勝負」であるからだ。これが、永遠の人間の実像だ。
 ゆえに、その現実に翻弄されて生きるのではなく、進んで現実に挑み、生命の鍛錬の場としていくのだ。
 わが若き皆様方は、最高に自身の生命を磨き上げ、皆から信頼される人生を生きていくことだ。
 反対に、皆に心配をかける人生は敗北だ。
 自分に負けないためには、聡明に、創価の正義の歩調に合わせていくことだ。善き友と、そして善き先輩と、つながっていくことだ。
 人生に勝って、幸福になるのは、自分自身である。
 その一人の成仏は全一族を成仏へ導く力なのだ。
 そして、未来に生きゆく若き皆様方の勝利が、全学会の勝利であり、ひいては全人類を救っていく原動力になるのである。
 "近代看護の母"ナイチンゲールは誇らかに訴えた。
 「私たちは、自分が褒められるためにではなく、私たちの選んだこの仕事に名誉をもたらし、それを前進させるために、心を打ち込んで事を為し遂げていこうではありませんか」(湯槇ます監修『ナイチンゲール著作集』3編訳者代表・薄井担子、現代社)
 尊き使命を果たしゆく心は清く、強く、美しい。
 私たちもまた、かくありたいものだ。
 イギリスの詩人ポープの言葉も味わい深い。
 「人間が幸福になりうる最も明るい希望はまた、他人を助ける最も強い動機と結びついている」(『人間論』上田勤訳)
 わが大切な女子部の友よ、全員が幸福に! 全員が尊き青春に輝け!

1
6