Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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正義の師・戸田先生  

2005.5.11 随筆 人間世紀の光2(池田大作全集第136巻)

前後
4  今から五十年前の昭和三十年、私は学会の渉外部長として奔走していた。
 当時、学会の社会進出に合わせ、一斉に、悪意と偏見に満ち満ちた攻撃が押し寄せていた。私は、その攻防戦の全責任を担い立っていったのである。
 捏造されたデマ記事が新聞に掲載されれば、私は単身、新聞社に乗り込んだ。ことに、恩師を汚す報道は絶対に許せなかった。紙面の担当者に会い、厳重に抗議した。
 「この記事は間違っている。私の師匠・戸田先生は、正義の人である!」
 学会の真実の姿を伝えながら、あくまでも青年らしく、誠実に語りあった。そして、学会への偏見を打ち破り、次々に味方を増やしていった。これが、広宣流布に通ずる本当の渉外戦であるからだ。
 歴史上、悪意と中傷を受けぬ賢人は一人もいない。御書に説かれている通りである。
 悪人どもによる迫害の構図を御聖訓に、こう仰せである。
 「条条の自科を塞ぎさえぎらんが為に不実の濫訴を致す謂れ無き事」――自らの犯した数々の罪を覆い隠すために、大聖人の門下に対して無実の罪をでっち上げ、みだりに訴えを起こした。全く不当なことである、と。
 自分自身が悪事を重ねながら、その罪を隠蔽しようと謀り、正義の仮面をかぶって、偉大な賢者に捏造の中傷をする。これが、「真実の善人」を陥れんとする、「真実の悪魔」の方程式である。
 戸田先生は、わが弟子たちに、正義の闘争を託されていた。ここに、偉大な師の訓練があった。本当に有り難い師匠であった。弟子が悪を滅ぼすことは、仏法史に刻まれた不滅の精神である。
 釈尊が、まさに涅槃せんとする時であった。弟子たちが次々と、仏の敵を倒す誓いを表明した。
 「法華経の敵の舌を切ります!」(御書一三五一ページ、通解)
 「霜や雹となって、法華経の敵の国を責めます!」(御書一三五一ページ、通解)
 みな烈々たる決意であり、宣言であった。
 「その時、伏せていた釈尊は起きて喜ばれ、『善き哉、善き哉』と誉められたのである」(御書一三五一ページ、通解)
 釈尊もただただ、敵と戦う弟子の登場を待ち望んでいたのだ。大聖人の時代も同様である。日蓮仏法を歪める五老僧との戦いも、日興上人が厳然と立ち上がって、声高らかに正邪を決したのであった。
 牧口先生を裏切った者は、戸田先生によって、その正体を明らかにされた。戸田先生の精神に違背した連中には、弟子の私たちがすべて鉄槌を下した。また、下している。これこそが仏法の根幹の魂であるからだ。真の師弟の道であるからだ。
 内村鑑三は言い切った。
 「正義は国家より大」(『内村鑑三著作集』3、岩波書店)であると。
 そして、ガンジーは叫んだ。
 「正義の流れは涸れあがることはないであろう。むしろ、流れ続けるにつれて太さを増すであろう」(『私にとっての宗教』訳者代表竹内啓二、新評論)
 弟子よ立て! 正義によって立て! 邪悪を打ち倒せ!
 ここに、創価学会が永遠に、「正義と勝利の五月三日」を飾りゆく道があるからだ。

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