Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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「女性の世紀」の若き旭日(中)  

2004.11.12 随筆 人間世紀の光2(池田大作全集第136巻)

前後
3  無慈悲な、残酷な悪世だ。若い女性を狙った凶悪事件も、あとを絶たない。「人間の世界というより、まったく野獣の世界じゃないですか!」と、ある母が泣きながら激怒していた。
 だからこそ、聡明に、細心の注意で行動することだ。大聖人も、「民の心・虎のごとし・犬のごとし」という世情にあって、門下を護り抜くため、繰り返し戒めておられた。また、特に夜間の注意は厳重である。
 「よるは用心きびしく」――夜は用心を厳しくしなさい――
 「かへらむには第一・心にふかき・えうじん用心あるべし、ここをば・かならず・かたきの・うかがうところな」――帰る時には、一層、心に深く用心しなさい。この(帰宅の)機会を、必ず敵は狙うからである――と。
 弟子の夜の安全、無事故の帰宅のために、御本仏がこれほどまでに心を砕いておられたのである。
 ゆえに、大切な大切なわが女子部は――
 (1)夜遅くならないように、早めに帰宅する。
 (2)人通りの少ない道は避ける。一人で暗い夜道を歩かない。防犯ベル等を携帯する。
 (3)家族に心配をかけぬよう電話で帰宅時間を知らせる。
 こうした基本を、今一度、真剣に確認しておきたい。「さきざきよりも百千万億倍・御用心あるべし」との御金言を、わが事として拝していくことだ。絶対に、悪を近づけない。断じて、魔を寄せつけない。その毅然とした強さと智慧をもたねばならない。
4  「苦労のない人が、幸福なのか。決してそうではない。そういう人は、人間の深さを知らない不幸な人だ」そう言った学者がいる。
 決して、弱虫になるな! 泣きながら、怯えながら人生を送って、何のために生まれてきた価値があるのか。心正しく、善悪に厳しく、忍耐強くあれ!
 嵐にも負けず、すくすくと大樹になりゆく若木と同じ生命力ある命でなければならない。人生に絶望など、絶対にあってはならない。人間の歩みゆく道には、必ず光明が射していることを忘れまい。目に見えて不幸になっていくような、悪の行為に縛られる女性になってはならない。周囲に惑わされ、縁に紛動されて、自分を見失ってはならない。
 毅然と強くあれ! 弱いことは、決して″女性らしさ″ではないのだ。幸福の道を、賢明に、正しく、地道に、歩み抜く人には、晴れ晴れと、わが幸福の到達点は見えてくる。
 釈尊のもとで、正しき信仰を貫き通した、女性の弟子たちは、こう叫んでいる。
 「悪だくみある者どもが、ここに千人の百倍も来ようとも、わたしは一本の毛筋も動かしません。驚きはしません」(『ブッダ 悪魔との対話』中村元訳、岩波文庫)
 「(わたしの)心は、いかなるものにも汚されません」(『尼僧の告白』中村元訳、岩波文庫)
 彼女たちの胸には、無上の誇りが輝いていた。
 ″私は、偉大な師の女性の弟子なのです!″

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