Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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大聖人門下の第一条件  

2004.10.29 随筆 人間世紀の光2(池田大作全集第136巻)

前後
7  先日(二〇〇四年十月二十三日)、私はインドの哲人指導者ナラヤナン前大統領と、四度目の会見を果たし、マハトマ・ガンジーやネルー初代首相の精神を論じ合った。
 かつて、ネルー首相が、インドの独立運動の拡大の歴史について、誇り高くアメリカで語ったことがある――。
 「先ず第一に諸君の恐怖を振り捨てなさい。恐れる事は少しもない」(『自由と平和への道』井上信一訳、社会思想研究会出版部)
 これが、ガンジーの力強い声であった。このガンジーの思想を携えて、幾万の青年たちが、あの地にも、この地にも歩み入り、民衆の中に飛び込んでいった。大情熱を込めて語り、師ガンジーの勇気の叫びを、一人ひとりの心に響かせていったのである。数カ月のうちに、広大なインド大陸のすみずみにまで、奇跡的な変化が起きた。農民たちが皆、胸を張って、相手の顔をまっすぐに見つめ、自信に満ち満ちていった。ここに、インド独立の勝利の劇があった―― ネルー首相は、そう振り返っているのである。
8  青年の勇気が、社会の正義を拡大する。師弟の勇気が、民衆の勝利を拡大する。
 「青年・拡大の年」とは、「勇気・拡大の年」である。
 若きゲーテが師と仰いだ、思想家のヘルダーは語った。
 「人生の本質的なものはけっして安逸ではなくて常に進歩」である。(『言語起源論』大阪大学ドイツ近代文学研究会訳、法政大学出版会)
 この師の薫陶に応えたゲーテは断言している。
 「いっさいを成就させ、またそれがなくてはなにものも成就しえない唯一のもの――持続!」(ビーダーマン編『ゲーテ対話録』2、菊池栄一訳、白水社)
 この師弟を貫いた魂も、前へまた前へ、断固として進み続けてやまない「勇気」であった。
  偉大なる
    勇気の二字を
      抱きしめて
    この世勝ちゆけ
      愉快に勝ちぬけ

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