Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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言論戦の勇者たれ  

2004.9.7 随筆 人間世紀の光2(池田大作全集第136巻)

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5  文は「善の剣」にも、「悪の剣」にもなる。
 「文飾」という言葉があるように、文は、しばしば自らを飾る。いな、飾るだけではなく嘘をつく。その嘘で人を騙し、陥れるデマとなれば、精神の毒薬をまき散らすだけだ。
 「墨で書かれた虚言は、血で書かれた事実を隠すことはできない」(「花なきバラの二」竹内好訳、『魯迅文集』3所収、筑摩書房)と、文豪・魯迅は怒りを込めて書いた。嘘、デマ、ふざけ半分の売文で人を狂わせる言論の暴力に、正義と真実が負けるわけにはいかないのだ!
 中国の思想家・王陽明の洞察にこうある。
 「天下の大乱は、虚文勝りて実行衰うるに由るなり」(近藤康信『伝習録』、『新訳漢文大系』13所収、明治書院)
 世の乱れは、事実と実行を離れた空文が蔓延していくからであると訴えた。まして、嘘や讒言が蜘蛛の巣のように社会を覆ったら、その社会は一段と暗黒となる。私も、何回となく、大嘘の卑劣な文章の攻撃を受けてきた。歴史上、偉大な方々も想像を絶する非道な言論の攻撃を受けてきたことは、あまりにも常識的なことだ。
 ゆえに、正義の剣、善の言論の剣が絶対に勝たねばならない。その鋭き宝剣で、邪悪な鎖を断ち切るのだ!
 社会に巣くう悪と戦い続けた明治の思想家・田中正造は、烈々と訴えた。
 「人は憶病する時に悪魔の窺うものなり。精神興起、千難万苦 毫も屈せざるの風采気力さえあれば、悪魔は遠くさけのびて、彼は面会をもさけて正義の人を怖るるものなり。
 正直ほど強きものなし」(田中正造全集編纂会『田中正造全集』16、岩波書店)
 全くその通りだ。
 創価の論陣が、善を強め、悪を斥け、正義の連帯に満々たる力を与えてゆくものだ。
 そして、来る十一月上旬には、わが聖教新聞は通算一万五千号という、偉大なる不滅の歴史の金字塔を燦然と打ち立てることになる。
 毎朝、聖教の配達をしてくださる全国の″無冠の友″の皆様、愛読者の皆様、そして聖教を支えてくださるすべての方々に、心から「万歳!」と感謝を申し上げたい。
 さあ、世界平和のために、世界の広宣流布のために、「聖教の正義の言論城」から、新たなる勝利と希望の大道を開き、邁進してゆこうではないか!
 いざや、わが友よ! 勇敢なるわが友よ! 使命と正義のわが友よ!
 人間主義の勝利のために、対話と対話の大海へ喜び勇んで飛び込み、勝利と正義の言論戦の大波を再び起こしゆこうではないか!
 その主役は誰か。その主役は我らだ。言論の武器をもった偉大な民衆だ。
 フランスの歴史家ミシュレは断固として叫んだ。
 「ことばと行動は一つだ。心に確信を吹きこむ力づよい断言は、行動の創造者だ。言ったことを生むのだ」(『フランス革命史』桑原武夫・多田道太郎・樋口謹一訳、『世界の名著』37所収、中央公論社)

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