Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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世界に輝く人間城・兵庫  

2004.6.8 随筆 人間世紀の光1(池田大作全集第135巻)

前後
6  一九六六年(昭和四十一年)九月、神戸で行った九千人の大撮影会も、生涯、忘れることはできない。″雨の関西文化祭″の二週間ほど前であった。何グループにも分かれて、撮影台に並ぶ。九千人ともなれば、撮影は二十数回にも及んだであろうか。
 焦点は、同志一人ひとりである。私と一対一の、師弟の歴史を、決意の原点を、どれだけ一人ひとりの同志につくり、生命に残してあげられるかである。私は真剣であった。その一回一回、その一瞬一瞬、渾身の励ましを送り続けた。この記念撮影から何十年たっても、「あの出会いが人生の支えになった」「いかなる断難にも負けまいという原点になった」等々の話を伺うたびに、わが胸は嬉しさでいっぱいになる。
 友情の対話も同じだ。ただ時間をかければいいのではない。一回一回、瞬間瞬間の出会いを大切にする、その大誠実が相手の心をつかむのだ。
 アメリカの哲人エマソンは断言した。
 「どの社会が大きくなっても、ひとりの人間の大きさにはかなわないことを忘れてはならない。友情にあふれる個人が自然にしかも瞬間的に連合するとき、彼は二倍、いや数倍の大きさになる」(『ニューイングランドにおける改革者たち』原島善衛訳、『エマソン全集』4所収、日本教文社)
 彼は、こうも言った。
 「目前の時々刻々を充たすこと――それがすなわち幸福なのだ」(「敬虔」小泉一郎訳、同選集3所収)
 その通りだ。だからこそ、我々は、大切な今この瞬間の「一対一の対話」に、全力を尽くし抜くのだ!
7  六甲山上の素晴らしき展望の地に、兵庫教学研修センターも開設された。
 草創から戦い抜いてこられた、あの三田市にも、さらに大震災を勝ち越えた神戸市の兵庫区にも、そして未来性あふれる学園都市の西区にも、二十一世紀に入って、待ちに待った新会館が誕生した。
 新緑もまぶしい、この五月一日には、完勝の「5・3」を寿ぐように、恩師の名前を冠した「兵庫戸田平和会館」が、芦屋の地に堂々と完成した。思い出深き、旧・関西戸田記念館の隣接地である。
 戸田先生の関西広布の指揮の舞台は、大阪が中心であり、どうしても兵庫に来られる機会は少なかった。今、戸田先生も、どんなに大兵庫の同志の勝利を「嬉しい、嬉しい」と、喜んで見つめておられることか!
 ともあれ、「学会は″人材の城″でいくのだ!」とは、恩師の遺言である。
 常勝の大関西にそびえる、偉大なる″人材城″、壮大なる″人間城″こそ、わが愛する兵庫であるのだ。
 若き地涌の陣列も、澎湃と躍り出ている。
 イギリスの哲学者ラッセルは言った。
 「世界はそのすべての恐怖をもってしても私の信念を揺がすものではない」(ハーバード・パッシン編『インドを救う道』〈伊藤雄次訳、サイマル出版会〉の中で引用された『バートランド・ラッセル自伝』のあとがき)
 これが、わが兵庫の友の完勝への信念だ!
 私は祈り待っている。世界の友も待っている。
 大兵庫の同志よ! 二十一世紀の希望の太陽となりて、断じて輝きわたれ!
 怒濤の大前進で、新たなる「常勝の五十年」の突破口を開きゆけ!

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