Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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共戦の心が光る香川  

2004.3.21 随筆 人間世紀の光1(池田大作全集第135巻)

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7  『フィガロの結婚』などの代表作で名高い、十八世紀のフランスの劇作家ボーマルシェは、作中人物の言葉を通し、こう喝破している。
 「わたしは、このうえなく誠実な人びとが中傷の犠牲になるのを見てきました」
 「悪意のこもることばならどんなに平凡でも、また卑劣なことばなら、そしてばかげた話でも、うまくもちかけさえすれば、大きな都会ののらくら者の心にそれを植えつけることができるものです。それにこの国には、そういう名人ならたくさんいます!」(『ツヴァイク全集』11〈藤本淳雄・森川俊夫訳、みすず書房〉の中で引用された『セヴィラの理髪師』の言葉)
 嘆かわしいことに、当世の日本も、この通りだ。
 この悪意だらけの社会にあって、師弟の決意の魂は、あまりにも強く、美しかった。
 会長を辞任し、しばし読書三昧の時に、あなた方、四国の求道者千人が、巨船をチャーターし、高松から横浜まで馳せ参じてくださったのだ。
 「師弟一体」の共戦の四国である。
 だからこそ、邪悪な鉄鎖を断ち切り、広宣流布の矢面に飛び出した昭和五十六年の秋十一月、香川の天地で、私は「もう一度、指揮をとらせていただきます!」と宣言させていただいたのだ。
 その時の皆様の輝く瞳、立ち上がらんとしゆく青年の凛々たる勇気の姿勢、そして嬉し涙、悔し涙を流す壮年部、婦人部の方々の不軽菩薩に通ずる不屈の姿は、一生涯、忘れることはできない。
 「若し後の悪世の中に
 是の第一の法を説かば
 是の人は大利を得んこと
 上の諸の功徳の如くならん」(法華経四五〇ページ)
 これは、法華経の経文である。
 この文の如く、わが四国の同志が大功徳に包まれゆくことを、私は祈る日々である。
8  四国は「志国しこく」「こころざしの国」であるとは、ある詩人の結論であった。
 戸田先生は、獄死された牧口先生の仇討ちを誓い、涙を払いながら訴えた。
 「私は愚鈍の身ではありますが、師の志を継いで、学会の使命を全うし、霊鷲山会にてお目にかかるの日には、必ずや、お褒めにあずかる決心でございます」
 先師・牧口先生の苦難は、戸田先生の苦難であった。牧口先生の勝利は、戸田先生の勝利で決まった。そして、恩師・戸田先生の永遠の勝利は、私の戦いで決まることを、私は骨の髄まで知っている。
 私は、この五十年、牧口・戸田両先生の「志」を、ことごとく実現してきた。
 皆様ご存じの通り、行くところ行くところで、勝って、勝って、勝ち抜いてきた。
 皆様方のお陰で、恩師に報いることができたのである。ともあれ、師弟は弟子で決まる。
 私は絶対に、不知恩の人生を送りたくなかった。臆病な、狡賢い人生を送ることを、心から否定した。
 そしてまた、師弟の魂の深化を、後悔なく、永遠に残したいと、深く深く決意してきた。
 本年二〇〇四年の″伝統の二月″に、四国は盤石なる一万ブロックの自信と喜びを爆発させ、正義の拡大の大旋風を巻き起こした。
 「二十一世紀の責任世代」である若獅子の青年たちも、雄々しく広宣流布の本舞台に躍り出ている。
 いよいよ、わが師が悲願とした「世界一の平和と人道の一千万の連帯」を築きゆく好機を迎えたのだ。
 わが四国の偉大なる友よ!
 わが香川の勇敢なる友よ!
 永遠に勝利王である、わが創価の友よ!
 いま再び、全宇宙の諸天善神に守りに護られ、そして見つめられながら、尊き大創価の美事なる師弟の勝利の劇を、断固として綴りゆくのだ!
 そしてまた、永遠に誇り高き、わが人生の勝利と功徳の舞を舞いゆくのだ!
 さらにまた、大創価の師弟の連戦連勝へ、素晴らしき無上の宝の人生を、共々に飾りゆくのだ!

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