Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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わが常勝の関西城  

2004.2.29 随筆 人間世紀の光1(池田大作全集第135巻)

前後
4  もう一面からいえば、大阪の戦いは、「最も逆風に立ち向かった戦い」であった。
 未曾有の弘教に挑戦していた五月、突如として一般紙が創価学会を「暴力宗教」等々と、大々的に報じ始めたのである。
 私の胸は勇み立った。
 ――「行解既に勤めぬれば三障四魔紛然として競い起る」と、日蓮大聖人の仰せ通りではないか! 我々の信心が正しいことの証明ではないか!
 「賢者はよろこび愚者は退く」だ。
 反撃だ! 正義は沈黙してはならない。デマや捏造記事で無実の人間を傷つけ、正義を踏みにじる言論の暴力は、今も横行している。
 正義の人タゴールは怒りをもって叫んだ。
 「嘘をつくことは罪です。偽りの非難はさらに大きな罪です」(前掲『ゴーラ』)
 その通りだ。
 そして、「これほどの不正に黙って耐えることが、不正」(「四つの章」我妻和男訳、同著作集5所収)なのである。
 あの一九五六年(昭和三十一年)、関西の広布の英雄たちは、すべての逆風を「追い風」に変えた。狡猾な臆病者など、一人もいなかった。
 友人であれ、近所の人であれ、遠くの親戚であれ、また学友であれ、悪口を言う人には、どんどん正義を語っていったのである。
 学会を批判するということは、むしろ学会に興味を抱いている証拠だと、少しも恐れなかった。
 なかでも、婦人部、女子部の勢いはすごかった。
 あのタゴールが、「女性は男性よりもいっそうたくましい生命力を自らのうちに宿している」(「女性について」山口三夫訳、同著作集9所収)と言った通りである。
 「暴力宗教」というマスコミの中傷を鵜呑みにする人がいれば、ニコッと笑った。
 「そうでっか。そないに有名な学会の座談会や、あんたも来てみまへんか?」
 この切り返し見事さ! 逞しく、賢明な、庶民の知恵には誰も敵わないのだ。
 そしてい最も批判の暴風が強まった、この意義深き五月に、一支部で、なんと一万一千百十一世帯の折伏という「永遠不滅の金字塔」を打ち立てたのである。
 この折伏の数は、過去にも、その後にも、一支部で成し遂げたところはない。成し遂げた人もいない。
5  かつて戸田先生は、関西の幹部たちに指導された。
 「青年には、意気がある。青年を育成しなければ関西の発展はない!」
 今、関西の賢明なる青年たちは、「昭和三十一年の大阪の戦い」を凌駕する、「二十一世紀の大阪の戦い」を勝ち抜くのだと、意気軒昂である。
 昨年(二〇〇三年)の六月、中国、北京大学「池田大作研究会」の賈蕙萱かけいけん会長が、夫君であられる、懐かしき周季華しゅうきか先生(中国社会科学院教授)と共に、わが関西を訪れてくださった。
 私どもの会館に展示されている、常勝の歴史を伝える品々も、丹念に観賞された。
 賈会長は熱く語っていた。
 「″池田青年″が、皆様と共に築き上げた関西は、一大牙城ですね」「いつも獅子王の気風・気概で勇往邁進して、『常勝』の美称を得て、常に全国をリードする存在です。大阪城のようにしっかりとそびえ立っています」
 まさに大関西は、「世界の関西」となった。
 中国の周恩来総理の確信は正しかったのだ。
 「正義の思想は人民によって具現される」(中共中央文献編集委員会編『周恩来選集〈一九四九年〜一九七五年〉』中共中央ML著作編訳局訳、外交出版社)
 さらに魯迅も言った。
 「人民は大波のように、阻まれれば阻まれるほど、大きくひろがって行く」(『墳』松枝茂夫訳、『魯迅選集』5所収、岩波書店)
 今、我らは、前代未聞の崩れざる平和と、一人ひとりの幸福の楽土を築き上げるために戦っているのだ。
 これが、広宣流布の方程式なのである。
 偉大なる大関西の常勝の同志は、必ずや三世永遠に残る、この広宣流布という壮大な歴史に、輝くばかりの勝利の旗を翩翻(へんぽん)と翻していくにちがいない。
 大関西よ! 常勝関西よ!
 私と一体不二の正義の英雄たちよ!
 「我らは勝った」「我らは強い」「我らは偉大である」という底力を、断固として、威風も堂々と、日本中の友に、世界中の友に示してくれ給え!
 マハトマ、ガンジーは語った。
 「世界の変革を望むならば、まず自分自身が、変革そのものであれ!」
 そのガンジーの後継者ネルーは言った。
 「行動しないということは、完全な失敗の告白であり、悪に屈服することであった」(『インドの発見』上、辻直四郎。飯塚浩二・鑞山芳郎訳、岩波書店)
 さらに、こう叫んだ。
 ――どこに害悪を見つけても、必ずこれと闘え!

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