Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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″母の勝利″を讃う  

2004.1.19 随筆 人間世紀の光1(池田大作全集第135巻)

前後
5  先ほど紹介したアメリカの母は、邪宗門の忘恩背信には、憤怒に燃えて立ち上がった。
 創価学会が貫く「広宣流布の信心」こそが、日蓮仏法の正統である。この一生成仏への和合の世界から、絶対に離れてはならない――。
 彼女は、同志のもとを駆け回って、声も惜しまず訴え続けた。
 そうした強き母の後ろ姿を見て育った長男は、名門のエール大学の卒業を、見事に首席で勝ち取った。
 若き英邁な経済学者の彼は、やがてアメリカ創価大学(SUA)の初代学生部長に就任。新しき世界市民の育成に尽力を開始した。
 二〇〇一年八月、SUAのオレンジ郡キャンパスの第一回入学式に、彼女と、ご主人の晴れやかな笑顔があった。体を動かせないといわれた次男も、今や走ることさえできるようになり、会合にも参加されている。
 この一月、七十九歳になったツヤコさんは毅然と語る。
 「全然、年をとった気はしません。広布のために、一生涯、創価の正義と真実を叫び続けます!」
 母は勝ったのだ!
 ナチスと戦った詩人のブレヒトは、「最後の勝利は最良の勝利」(『亡命者の対話』野村修訳、晶文社)と謳った。
 そうだ。途中がどうあれ、最後に勝てばよい。
 ブレヒトはこうも語った。「真実は戦闘的なものである。真実は真実でないものと戦うばかりでなく、真実でないものをひろめる一定の人間とも戦う」(「真実を書くさいの五つの困難」五十嵐敏夫訳、『ブレヒトの文学・芸術論』所収、河出書房新社)と。
 戦い抜いてこそ、真実であり、正義である。
6  「個々の家庭が女性を基盤とするように、世界もまた、女性を基盤とする日が来るでしょう」(『娘たちに愛をこめて』木村治美訳、三笠書房)――アメリカの作家パール・バックが展望した通りの時代に入った。
 昨年(二〇〇三年)の十二月、私は、アメリカの名門チャップマン大学から、名誉人文学博士号をお受けした。ファテメ・シャバーニ副学長夫人は、来日の折、創価学園生に語りかけてくださった。
 「平和を実現していくことは、すべての人間の責任だと思います。皆さんは、人間として尊重し合う″一対一″の人間同士のつきあいを深めていくという思想を広げていってください」
 「一対一の対話」こそ、平和建設の正道だ。それを、勇敢に行動しておられるのが、婦人部の皆様方である。
 いずこの地でも、「この母ありての広布かな」と、どんなに讃えても讃えきれない、偉大なる母たちの大行進曲が、来る日も来る日も奏でられている。
 私と妻は、広布に戦い、生きゆく女性たちの無限の幸福の人生を、真剣に懸命に祈りゆく毎日だ。
 おお、幸福博士、万歳!
 世界一の婦人部、万歳!
 創価の太陽の母たちよ! 「勇気」と「正義」と「勝利」の歓声を、さらに響かせゆくのだ。そして強く愉快な賢き声を、一段と朗らかに共鳴させながら、前進されんことを、私は、一生涯、祈りゆくものである。

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