Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第二の草創期 人間教育の大城・創価大学

2003.12.1 随筆 新・人間革命6 (池田大作全集第134巻)

前後
5  私は現在、モスクワ大学のサドーブニチィ総長と対談を進めている。
 同大学は明後年で創立二百五十周年――その長い歴史のなかで大切にしてきた点を伺うと、総長は明確に言われた。
 それは、「創立者の精神の継承」と「庶民に開かれた学舎」の二点であった。
 創立者ロモノーソフによって、モスクワ大学の入学条件は「能力優先」となり、財産や社会的な地位を問わなかった。
 帝政ロシアの時代である。錆び付いた階級社会に風穴を開ける、「大学革命」であり「教育革命」であった。
 創価大学も、民衆の支持によって誕生し、民衆と共に歩みながら、民衆の幸福に尽くしゆく大学であらねばならない。
 今や、創大からは、き教員採用試験の合格者は三千七百人を突破した。
 大学の学長をはじめ、博士、弁護士、実業家、政治家など、社会のあらゆる使命の分野で、ご存じの通り大活躍している。
 「法科大学院」も、正式に認可され、いよいよ、明年の四月に開校の運びとなった。
 新世紀の法曹界の英雄たちが、陸続と育ちゆくことであろう。
 通信教育部の在籍者も二万一千人を超えた。それは名実ともに日本一である。
 そしてまた、平和のための要塞であるからこそ、わが創大は、世界中の大学と連帯し、真の平和の指導者を育成しているのである。
 現在、創価大学が教育交流を行う大学は、四十一カ国・地域、八十八大学に上る。最優秀の留学生たちが、数多く勇み集ってくれていることは、計り知れない喜びであり、希望だ。
 アメリカ創価大学との麗しい往来も、まことに有意義に進められている。この英知輝く学生たちこそ、各分野にあって、必ずや立派な指導者となっていくであろう。その友情のつながりこそ、世界平和のための力ある要となっていくことは、間違いないと、私は信じる。
 今、キャンパスでは、伝統のべートーベン「第九交響曲」の音楽祭に向けて、練習がたけなわである。わが創大には、常に「文化」と「創造」、そして「探究」と「正義」の若き偉大なエネルギーが沸騰しているのだ。
6  一九九一年九月、私がハーバード大学で第一回の講演を行った会場は、ケネディ政治大学院のウィナー講堂であった。かの若きケネディ大統領からは、かつて私も会見のお話をいただいており、その足跡が偲ばれてならなかった。
 母校ハーバード大学を深く愛した大統領は、こう叫んだ。
 「我々は今、激動と変化の時代に生きている。革新と革命の時代、そして善悪の時代に生きている。このような時代にあって、大学には人類の過去の最も優れた遺産を守り、未来の最も優れたものに、すばやく到達すべき重大な義務がある」(T.S.Settel, The Wisdom of JFK, E.P.Duttom&CO., Inc.)
 学問と喜んで決闘しゆく学生たちよ!
 君よ、学べ、悩みに負けず、学べ!君よ、学び抜け、確固たる求道心で、働きながら学び抜け!
 そして、父母を忘れずに!
 君たちこそ、未来の平和を守り決定しゆく、気高き学徒なのだ。
 断じて、権力や権力者等に左右されるな!尊きわが民衆のために、力をつけるのだ。
 君しか成し得ぬ、傲慢な権力への仇討ちを、庶民のために勝ち抜くのだ。
 さんざん嘘で固めた、売らんがための活字文化を、学問という法則から、厳正に糾しゆくのだ。
 君よ、徹頭徹尾、喜び勇んで、学問を勝ち取ってくれ給え!
 いわゆる金儲けや、有名になるための策士にはなるな!
 金城鉄壁な人格と智慧と学識をもって、勝利、勝利の固い握手をしようではないか!
 君たちの栄光と勝利が、私の栄光と勝利だ。
 永久に残りゆく名誉ある権利を磨くために、君よ、今日も現実の荒波を乗り越えながら、真剣に学びゆけ!
 そして、断じて勝ってほしいのだ。
  創大を
    母校を誇りと
      勝利者に

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