Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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起稿10周年 我は書く 命の続く限り

2003.8.8 随筆 新・人間革命6 (池田大作全集第134巻)

前後
4  『新・人間革命』も、まったく同じ決意であった。
 私には、書かねばならない使命と責任がある。後輩に真実を伝えねばならない。
 それが先輩の責務であるからだ。
 皆様ご存じの通り、ここまで私が小説『新・人間革命』に綴ってきた、第三代会長になってからの十年間、わが学会は太陽が昇りゆく勢いで、連戦連勝であった。
 それは、みな、迫害の烈風のなか、信心の無数の勝利の利剣を持った、わが同志の勇敢なる戦いのお陰である。
 そこに、諸天善神が総力をあげて、敵を倒し、道を開き、勝利へ勝利へと、導いてくれたのである。
 つまり、正しき信心からきた「妙法の秘術」の結果であった。
 末法とは、「闘諍言訟」の時代といわれる。要するに、「言論戦の時代」である。
 日蓮大聖人は、正法を行じ抜いた勇者と、迫害した人間の勝敗を綴り残されながら、こう仰せである。
 「うただ・きなばこそ未来の人は智ありけりとは・しり候はんずれ
 「真実」を明確に書き残すことが、未来の人びとの明鏡となる。
 真実は、語らなければ残らない。沈黙は闇を増すだけだ。
 ゆえに私も、書くべきことは全部、書き残す責任がある。また、書き残す決心は深まっていた。
5  我らは、幾たびとなく戦い、勝った。負けたことは、一度たりともない。
 諸天善神は、連続勝利の我らの戦いを見つめている。天より、大地より、大勝利の我らの行列を祝賀している。そして我らに向かって、「善哉、善哉」「喝采、喝采」と、天の歌、天の舞を贈ってくれる。私たちの人生の結晶は、並外れて貴重な歴史を綴り、美しい生命と輝きわたるにちがいない。
 ある哲学者が、笑って語った。
 「人間は、嫉みの動物だ。人間は、やっかみの動物だ。人間は、怨みと羨ましさに狂い叫んでいく動物だ」
 勝利者に迫害があるのは、当然だ。それが、永遠の優勝の証なのだ。
 ゆえに、我らは、愉快な人生を、勝利の人生を、飾り残しゆくのみだ。

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