Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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栄冠輝け使命の同志(上) 偉大な歴史を創れ 勝ちまくれ!

2003.4.10 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

前後
5  それは、一九五四年(昭和二十九年)のことであった。
 二月八日の夜、師である戸田先生が、突然、学会本部で発作を起こして倒れられたのである。ちょうど私が用事で不在の時であった。
 「大作は、大作は……」と呼ばれておられた。
 それを後で知って、私の胸は、申し訳なさと表現しがたい苦痛に千々に乱れた。
 獄中で痛めつけられた先生の体は、次第に衰弱し始めておられた。
 しかし、翌日、先生は発作の話など全くされず、何事もなかったかのように振る舞われていた。ただ、「勉強せよ、勉強せよ」と、幾度もおっしゃりながら、何かを深く思索しておられた。
 それから約五十日が過ぎた三月末、私は先生より、「まず君が、次の時代を創りゆく全青年部をがっちりとまとめ、指導していくように」と言われ、青年部の室長に任命された。
 師の心が、私には痛いほどよくわかっていた。いわゆる青年部長、男子部長という立場になると、かえって、緊急な時にすぐさまご自身のもとに呼ぶことができなくなるからである。
 船のスクリューが見えないように、組織の陰の原動力としての全責任をもたせながら、いつも私を側に、おいておきたいという、お考えであったのである。
  語り合う
    偉大な師匠と
      富士の山

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