Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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偉大なれ 福島の人材城 さあ前進! 栄光のその日まで

2003.4.3 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

前後
3  磐梯山のふもと、猪苗代湖に臨む福島研修道場の近くには、世界的な医学者・野口英世博士の生家がある。
 来年発行の新千円札の肖像にも選ばれた。「天才とは勉強なり」と言われた奮闘努力の生涯は、今なお青少年に希望を与えてやまない。
 次から次に難病の病原体の発見に取り組み、寝食を忘れて研究に打ち込んだ。その疲れを知らぬ精励ぶりは「ヒューマン・ダイナモ(人間発電機)」と呼ばれたという。
 しかも、それは、単にがむしゃらな猪突猛進とは、まったく違うものであった。
 友人の一人は、野口博士が常に「此の方法によれば必ず斯の如きものが見付からねばならぬと云ふ確固たる信念を以て研究に着手」したと回想している。(真鍋嘉一郎「野口英世博士とフリードリッヒ・ミュルラー博士」、丹実編『野口英世 その生涯と業績』4所収、講談社)
 さらに、「見付かるか見付からぬか判らぬが、まあー兎に角やって見ようなぞと云ふ不安定な考察では決して手を下さなかった」(同前)そうだ。
 できなくても仕方ないなどという、中途半端な気持ちは微塵もなかった。「必ずやり遂げる」という執念と、「必ずできる」という確信が一体だったといえようか。
 自らの仕事を果たすことにかけて、言い訳はしない、弱音もない。結果を出すまで、努力、努力、また努力!
 この執念にしか、真の勝利の力はない。
4  ある日、野口博士は友人と動物園に足を運んだ。
 博士がライオンの檻の前から離れないので、友人が早く先に行こうと促すと、こう答えたそうだ。
 「君も獅子の活動をよく見て置け、人間も此通りである、羊の様になって人に喰はれるな」(宮原立太郎「畏友野口英世君を憶う」前掲『野口英世 その生涯と業績』4所収)
 人生、弱いことは不幸だ。強くなければならない。
 郡山、二本松を訪問された牧口先生の口癖も、「羊千匹より獅子一匹」であった。
 そして広宣流布とは、鉄のごとき、師子と師子の団結によって遂行されるのだ。
 あの歴戦の勇士ブーリバは烈々と叫ぶ。
 「ただ血縁によってではなく魂によって、固くひとつに結びつくことのできるのは、諸君、人間だけじゃ!」(前掲『隊長ブーリバ』)
 我らもまた、崇高な師弟の「魂」によって固く結ばれた団結がある限り、敗北の二字は絶対にない。
 日本第三の面積を誇る福島県は大きい。だからこそ、我らも心豊かに、大きく動こう。その分、功徳も福徳も大きい。
 わが福島の中央総県、会津総県、常磐総県――この満々たる力を合わせて創ろうではないか! 誰もが憧れる正義と希望の楽土を!
 福島は美しい。信夫山を眺めて流れる阿武隈川も、磐梯山を映す猪苗代湖も、神秘の彩りの五色沼も、また鶴ケ城も、わが心に輝き光る。
 我らは、この"幸福の国"福島に妙法の花咲く、民衆の平和郷を築くのだ!
 八年前、福島研修道場に植えた歴代会長の桜は、毎年、美事な花の盛りに五月三日を迎えると伺った。
 さあ、前進だ!
 偉大なる人材城・福島の同志よ!
 勝利の花が絢欄と咲き薫るあの栄光燦たる「5・3」へ向かって!

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