Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

創価の楽雄・音楽隊 轟け! 正義の曲 勇気の行進

2002.11.22 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

前後
6  時代が音楽をつくるのか。音楽が時代をつくるのか。
 フランス革命は、素人音楽家の青年将校が一晩で書き上げた「ラ・マルセイエーズ」とともにあった。
 米国では、「ウィ・シャル・オーバーカム」の歌声が、キング博士の率いる公民権運動に加わった人びとを一つに結びつけた。
 御書には「音の哀楽を以て国の盛衰を知る」と引かれている。
 今日ほど、不安と無気力の哀音を破り、生命力に満ちた音律を広げる、文化の旗手が求められている時代はないだろう。
 法華経には、妙音菩薩の行くところ、百千の天の音楽が鳴り響くと説かれる。まさに荘厳華麗なパレードだ。
 信仰は目に見えない。だからこそ、信仰で得た喜びや境涯を、人びとにわかるように表現しなければならない。音楽や芸術は、まさにその表現であり、妙音菩薩の壮麗な音楽は、信仰の歓喜から発するものといってよい。
 マーチングバンドの全国大会で、音楽隊の創価ルネサンスバンガードが六度の日本一の栄冠に輝いたように、わが音楽隊は名実共に日本第一の力量となった。
 音楽隊の勝利こそ、文化の勝利であり、信仰の偉大さの証明にも通じるのだ。
7  華やかな舞台の陰には、必ず人知れぬ努力がある。
 練習会場の確保も大変だ。がらんとした夜の工場や、寒風が吹きさらす河川敷の場合が多かった。
 仕事や学業を終えたあと、また学会活動の合間を縫いながら、「一人欠けても楽団の本当の音は出なくなる」と、息せき切って駆けつけるあの友との友。
 小柄な体が隠れてしまうほど大きな楽器を運ぶ、中等部の隊員の姿も見えた。そんなメンバーに、兄のごとく勉強を教える男子部の隊員もいた。帰宅が遅くならないように、先輩が気を使った。
 音符は一つだけでは曲にならない。長短、高低、多彩な音符が組み合わさり、そこに名曲が生まれる。
 楽雄諸君は、同志と励まし合いながら、常に最高の鍛錬と友情の名曲を作っているのだ!
 かつて私が音楽隊に与えた課題曲の一つにタイケ作曲「旧友」がある。君たちこそ、永久に信仰と音楽で結ばれた「旧友」である意義を訴えたかったのだ。
 そして創価の同志を、世界の国と国、人と人とを、音楽の力で「旧友」のごとく永遠に結んでくれ給え!
 革命詩人バイロンが歌った出陣の合図が聞こえる。
 「鼓手よ、鼓手よ! 遠くより轟ききたれば
 勇士の胸は躍り、戦いの時は迫りて(中略)
 みなその轟きに起ち上る」(『バイロン詩集』阿部知二訳、彌生書房)
 さあ、新しき人生は、新しき出発をしよう!
 絢欄たる民衆文化を開く、創価の人間主義の遠征へ!

1
6