Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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陰の労苦の大英雄に感謝 わが胸中の栄光の城は永遠なり

2002.10.24 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

前後
7  五十数年前、戸田先生の事業の窮地のなか、私は一人、師を、お守りするために、阿修羅のごとく戦い抜いた。四面楚歌の暗闇の日々であった。だが、私は生命の因果の厳たる理法を信じた。
 信心の極意は、誰が見ていようが、いまいが、「冥の照覧」を信じ、喜んで広宣流布の労苦に身を捧げ、戦い抜くなかにあるのだ。今の私があるのは、全部、その時の苦境時代を乗り切った福徳であると確信している。
 後年、先生が笑みを浮かべて、ぽつんと言われた。
 「俺も、大作も、男らしい戦いをやり抜いてきたなあ」
 胸が熱く熱く燃え上がった。私には、それで十分であった。
 私は、誰よりも陰で戦ってくださる皆様の、深き真心がわかるつもりだ。
 スイスのあの著名な思想家、ヒルティは名著『幸福論』にこう書き残していた。
 「人生のいかなる偶然性にも左右されることなく、そして実際に到達することのできる幸福は、ある大きな思想に生きて、それのためにたゆまず着実な仕事をつづける生活のうちに見出されるものだ」(草間平作訳、岩波文庫)
 この通りだ。人間を凝視し、深く知る賢人の、時を超えて、我々の存在を讃えるかのような声が耳朶に響く。この黄金の言葉を、「陰の労苦の大英雄」であり、「わが真実の同志」である皆様に贈りたい。

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