Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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わが師と地球民族主義 君よ世界へ! 師弟の大道に続け

2002.10.4 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

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3   大鵬の
    空をぞ かける
      姿して
    千代の命を
      くらしてぞあれ
 これは、一九五三年(昭和二十八年)の七月に、戸田先生が、発刊されたばかりの”開目抄講義”に揮毫され、私にくださった和歌である。
 当時の私は、来る日も来る日も体調が悪かった。背中に焼けた鉄板が一枚、胸には焼けた木が一枝入ったような、苦悶の時もあった。
 この和歌に、どれほど勇気をいただいたことか!
 断じて、生き抜くのだ! 世界に羽ばたき、太陽の仏法が大空に輝きわたる時代を、必ずつくるのだ!
 私は日々、自らを叱咤し、宿命の打開を祈った。必死に病魔を打ち破りながら、広布の戦闘の炎を、さらに燃え上がらせていった。
 それから一年後、戸田先生のお供をして、先生が心から愛しておられた北海道の厚田村を訪れた。師が少年期を過ごした故郷である。
 波打つ日本海を見ながら、先生は、私に言われた。
 「大作、私は、日本の広宣流布の盤石な礎をつくる。
 君は、世界の広宣流布の道を開くんだ。頼んだぞ!」
 日々、ひたすら師匠にお応えしようと、一心不乱に奮戦してきた私の歩みは、そのまま、まっすぐに世界へ通じていたのであった。
 一九六〇年(昭和三十五年)、第三代会長となった私は、師匠の遺言を身に体し、世界平和への飛朔を開始した。その日、十月二日の凛乎たる決意は、今も変わることはない。
 以来、私と共に、学会と共に、懸命に戦ってくださった地涌の菩薩である皆様方の尊き労苦によって、遂に、日蓮仏法は百八十三カ国・地域に広がったのである。
 法華経には、仏を「開道者(道を開く者)」と説かれている。幸福の大道、友情の大道、平和の大道を開いてこそ真の仏法者である。この道を開く力は、誠実にして真剣な行動しかない。
4  戸田先生は、ご逝去の半年前、インドのネルー首相が来日した時には、”一度、会って話してみたいものだ”と言われていた。
 「どんどん一流の人に会っていけ!」と、私に指導してくださった。
 不思議にも、ネルー首相の令孫であるラジプ・ガンジー首相、さらにご家族と、私は深い交誼を重ねることとなった。
 「思想は、それ自身の正しさを証明するためには、行動にみちびくものでなければならない」(『父が子に語る世界歴史』6、大山聡訳、みすず書房)とは、かのネルー首相の言葉であった。
5  今年で、歴史家トインビー博士との対話からも三十年。これまで私は、千五百人を超える世界の文化人等とお会いしてきた。国家や民族、文化的背景などの違いを超え、「人間」という一点で結び合い、人類平和への流れをつくることを願つての行動である。
 その一つ一つが、戸田先生の弟子として、世界への道を開くことを誓った私の、使命の戦いであるからだ。
 これからも、命の限り、力の限り、”地球民族主義”の大道を開きゆく決心はますます強い。
 幾百万の若き青年の君たちが後に続くことを信じて!

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