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日蓮大聖人・池田大作

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アフリカの希望の朝 不屈なる魂で築け! 幸福大陸

2002.8.16 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

前後
6  六月にも、このコートジポワールの代表十人が、勇んで来日された。
 「歌を歌わせてください」
 海外の友との懇談会の折、メンバーが声をあげた。
 「ありがとう! 喜んで聴かせていただくよ」
  ……SENSEI WAH(センセイ・ワー)
  AFRICA SENSEI WAH(アフリカ・センセイ・ワー)
 「先生が来る」「アフリカに先生が来る」という意味という。
 皆で作った、短く、シンプルな歌である。いな、歌というより、魂そのものに触れたような思いがした。
 真心には真心で応えたい。私はピアノに向かった。曲は”大楠公”。父子一体で平和へ戦う心を込め、鍵盤を叩いたのであった。
 昨年、新しくクマシ文化会館が誕生したのは、西アフリカのガーナであった。
 わが同志は、地域の方々も交えて、開館記念の文化祭を催し、伝統の民族舞踊などを楽しく披露した。
 来賓の王室の方が、心から感嘆しておられたそうだ。
 「これが仏教の在り方ならば、実にすばらしい」
 アフリカには、近代化などの陰で、伝統文化が踏み荒らされた痛恨の歴史もある。
 「聞かれた精神」でアフリカ文明と対話していく大乗仏教が、ますます脚光を浴びていくにちがいない。
 ガーナといえば、一九八四年(昭和五十九年)に、首都アクラに同志が手作りで完成させた、アフリカ初のガーナ会館がある。
 クギ集めに始まり、土を運び、ブロックを積み、ペンキを塗る──週末を使った自発的な建設作業「カイカン・ワーク」に汗した人は、五年間で延べ二万人を超えた。
 まさに、広布の情熱が結晶した会館だ。それを、反逆の輩が悪坊主と結託して横取りを画策したが、公正な法的裁定により、完全に粉砕されたことは、記憶に新しい。
 法華経にいわく。
 「閣浮提に広宣流布して断絶せしむること無けん」──全世界に広宣流布せよ。この妙法を決して断絶させることがあってはならない。
 人間を侮蔑し、魂の自由を侵す悪魔や魔民どもを、断じて跳梁させてはならない。
 この釈尊、そして大聖人の遺命通りに、わが誉れのアフリカの同志は勇敢に戦い抜いた。
 民衆は勝った。炎の勇気と鉄の団結で、邪悪を完膚なきまで打ち破り、正義と幸福の城を守り抜いた!
 雨に打たれて、草木は青々と茂る。苦難に鍛えられて、人間の宝冠は輝く。
 南アフリカの巌窟玉、マンデラ元大統領は叫んだ。
 最も尊貴な財産は、「どんな純度の高いダイヤモンドにも増して誠実で強靭な民衆なのだ」(『自由への長い道──ネルソン・マンデラ自伝』下、東江一紀訳、日本放送出版協会)と。
 信仰とは「勇気」の炎だ。「希望」の光だ。生き抜く「不屈」の魂だ。
 燃える情熱と麗しき連帯で進もう! 使命深き「幸福大陸」の建設者たちよ!
 「アフリカの世紀」の太陽は、我らの前に輝いている。

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