Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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「3.16」の大精神 「創価の世紀」を君よ 勝ち抜け!

2002.3.13 随筆 新・人間革命4 (池田大作全集第132巻)

前後
4  「3・16」のあの日、予定されていた、時の首相の参列は見送られた。それでも青年たちは、師と共にあって意気軒昂であった。
 先生は、「大きすぎる」と叱咤された車駕にも、お乗りくださった。衰弱された師のために、弟子が真心で作った乗り物であった。
 その車駕の上から、愛する青年たちへ視線を注ぐ先生の姿が、私の瞼に焼き付いて、今も離れない。
 戸田先生のお顔は満足げな様子であった。
 白雪の不死の山、秀峰富士が大儀式を見守っていた。
 しかし、先生の今世の命は終末に近づいていた。
 私は一人、嵐を胸奥に感じながら、一心不乱に行事の一切を取り仕切った。
 大半の弟子は、師匠の死のことなど考えも及ばず、先生の姿に触れて喜んでいた。
 先生は、体は弱りながらも、「創価学会は宗教界の王者なり」と宣言された如く、心奥には師子奮迅の大力が横溢しておられた。
 「広宣流布の大闘争心」という正義の印綬が、師から弟子へ、寸分違わず、伝持されゆくことを確信されていたのである。
 時あたかも、新たな生命が輝き出す春であった。
 「死の終った瞬間に生命は現れる。
 凡ては向上し、何にも滅びるものはない。
 死ぬということは世人の想像と異なり、もっと幸福なものだ」(『世界の詩27 ホイットマン詩集』白鳥省吾訳、彌生書房)
 これは、かの詩人ホイットマンの言葉である。
 戸田先生も、後継の青年を前に、絶対の幸福境涯のなか、最期の日々を過ごされたと、私は信ずる。
5  師亡きあと、今日まで生き抜いた私は、十倍、百倍、千倍の大闘争で、創価の勝利の大輪を、あの地、この地に、咲かせゆく責務がある。
 師匠が示された広布の大道を、地球の隅々にまで開き、広げていく使命がある。
 この世界を包み、伸びゆく正義の大道を、今度は新世紀の青年部が走り抜くことを、私は念願してやまない。
 イタリアの革命家マッツィーニは言った。
 「われわれに必要なもの、民衆に必要なもの、われわれの時代が沈湎しているこの利己と懐疑と否定の泥沼から脱出すべき血路を見出さんがために欲し求めているところのもの、――それは信仰だ」(前掲『一日一章 人生読本〈10~12月〉』)
 若き君たちよ、「信心の英雄」として、鋼の如く自身を鍛え抜くのだ!
 〝広布の模擬試験″から、四十四年。今や試験的段階は完全に終わった。
 「創価の世紀」の、広布の本舞台が始まったのだ。私には、青年部、未来部の諸君を頼みにするしかない。
 蓮祖は、広宣流布のために戦う弟子を、「法華経の命を継ぐ人」なりと、その勝利と栄光を懸命に祈られた。
 私の思いも、まったく同じである。「広宣流布の魂のバトン」を受け継ぐのは、君たちしかいないのだ。
 わが命の分身たる弟子たちよ、生きて生きて、生き抜き、勝ち抜け!
 最強にして、極善の青年城の構築を、断固、頼む! 

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