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日蓮大聖人・池田大作

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創価有縁の天地北陸・新潟 人材の大波が開く 日本海の新世紀

2001.7.26 随筆 新・人間革命4 (池田大作全集第132巻)

前後
5  翌日の文化祭は、開始直後に雨まじりの強い風が襲ってきた。
 ちょうど、未来部が演技中であったが、負けずに演技する健気な姿に、会場の熱気は高まっていった。
 幸い、この雨風は、不思議にも十分ほどでやんだ。
 文化祭の圧巻は、男子部の組み体操。その中心は、「スーパー五段円塔」である。
 実は、彼らがめざしてきたのは、最難関の「六段円塔」であった。
 二年前、関西が打ち立てた六段円塔に負けじと、練習を重ねてきたが、万一の危険性を考え、本番では五段円塔に変更になったようである。
 しかし六段円塔を夢見てきたメンバーは、総合リハーサルでは、執念と熱意で六段円塔に挑戦。堂々と永遠に讃嘆されゆく、団結の勝利の大塔を打ち立てたことを、後世のために記しておきたい。
 そして本番では、六段円塔の五段目まで組み、そこに三人が乗るという、「スーパー五段円塔」を披露してくれたのである。
 この日、会場の新潟市陸上競技場は、時折、砂塵を巻き上げ、強い風が吹いた。市内の最大瞬間風速は、一八・六メートルにもなった。
 あの強風の危険があるなかでの力強き颯爽とした青年たちの奮闘は、今もって我々は忘れることができない。
 その風も、立体的な人間大ピラミッドを呼び起こす、壮大な隊列の組み体操の時には収まっていた。
 幾たびとなく不屈の闘魂で挑んできた、五段円塔を中心に、七十四基の三段円塔が遂に林立した。
 その瞬間、パックスタンドの人文字は、私の揮毫による「人材の波」という文字を、大きくまた大きく、美事に描き出してくれた。
 ことに集いし青年たちは、まさに学会の大難の嵐を越えて、湧き起こった若き「人材の大波」であった。
 著名な来賓の方々が「涙が出てたまらなかった」と語りながら帰っていかれた姿は、終生、私たちの心から離れることがないだろう。
 御書には仰せである。
 「火に薪を加える時は盛んに燃え上がる。大風が吹けば求羅という虫は倍増する。(中略)法華経の行者は火と求羅のようであり、薪と風とは大難のようである」(一一一六ページ、通解)
 広宣流布の英雄にとって、大難は、正義の証明だ。
 悪口罵詈が何だ! 陰険な策謀が何だ! 迫害が何だ!
 日本海の荒波で結ばれた、われら創価の団結は、何ものにも、断じて負けない!
 北陸の石川の同志よ!
 富山の同志よ!
 そして、新潟の同志よ!
 よく戦ってくれた。
 よく成長してくれた。
 盤石な勝利の人材の大城を、勝鬨と共に築き上げてくれた。
 日本海の新世紀は、堂々と始まった。私は嬉しい。
 牧口、戸田、両先生も、心から賞讃され、安心しておられるにちがいない。
 私は朝夕に、皆様のご健康を、ひたすら祈るのみだ。

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