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日蓮大聖人・池田大作

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創価の魂の源流・豊島 正義の誉れ 師弟の闘争の天地

2001.1.25 随筆 新・人間革命3 (池田大作全集第131巻)

前後
5  戸田先生は、一九五二年(昭和二十七年)十一月、この豊島区の池袋で行われた牧口先生の九回忌の法要の折に、烈々たる口調でおっしゃった。
 「わたくしは、先生のほんとうのものを知っていた。ほかのものは知らなかった。わたくしは『いまに先生は死ぬんだ。そのとき、牧口先生と会っていたことが、自慢になる時期がくるんだ。はっきり信心しなさい』と言っていた。そしていま、そのとおり門下生の誇りになっている」(『戸田城聖全集』3)
 この時、牧口先生の死後十年を期して、師の『価値論』を世界の大学に送ると、歴史的な宣言をなされたのである。
 翌年、先生は、その誓願の通り、自ら補訂された『価値論』を出版され、その英文解説を添えて、約五十カ国・四百二十二カ所に及ぶ世界の大学・研究所に寄贈されたのである。
 「私は弟子として、牧口先生の残された大哲学を、世界に認めさせる!」「私の代にできなければ、君らがやっていただきたい。頼みます!」(同全集4)
 その師の悲願を胸に、第三代の私は、世界中を駆け巡った。
 今や、牧口先生の「創価教育」の希望の花は、アメリカやブラジル、アジア、またヨーロッパのイタリア等でも開き始めた。
 ″創価の父″を仰ぐ無数の広布の健児たちは、勇躍歓喜しながら、地球を使命の舞台として、確信に満ち満ちながら、にぎやかに舞い踊っている。
6  哲人ソクラテスは叫んだ。
 ――たとえ何度、殺されようとも、私が正義と思うことを絶対にやめないだろう!
 嫉妬の讒言で処刑された彼の正義は、弟子のプラトンの戦いによって不滅となった。
 師の心を実現する! それが弟子の使命である。
 獄中に、師弟不二の魂が光を放った豊島!
 正義の勝利へ、まことの弟子の反転攻勢が始まった偉大なる天地!
 あの法難では、多くの弟子は難を恐れ、恥を恐れ、自己を守るために、正義を隠して、また人目につかないように、謗法の道、堕落の道に走った。その卑怯な魂は、永遠に消えることはない。
 その方程式は、今も変わらない。多少の姿こそは異なっても変わりはない。
 悪に抵抗もしない、極悪に抵抗もできない。この臆病者の無言の悪は、悲しき欺瞞の毒竜に引き回され、真実の流れを断ち切ってしまうからだ。
 しかし、いかなる暗黒の悪口罵詈があっても、崇高なる勇者の胸には、満天の星が消えることはない。
 真実は、永遠に消えない。
 正義は、必ず永遠に栄える。
 いかに荒れ狂おうとも、必ず嵐は去っていく。
 今、この豊島には、東京戸田記念講堂が厳然と立っている。
 ここから、いつも、牧口先生と戸田先生の師子吼が、私には聞こえてくる。

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