Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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フランスの希望の歌声 もう! 人間勝利の凱旋門へ

2000.11.8 随筆 新・人間革命3 (池田大作全集第131巻)

前後
4  六年後(一九八七年)の五月、パリ南郊の、緑輝くビエーブルの地で、SGIの欧州会議センターの開所式が行われた。
 この時も、フランスの将来を担う、凛々しき青年たちが集ってきてくれた。
 式典が終わると、小鳥がさえずる木漏れ日の庭を、青年たちと私は、遥かな未来へ前進するかのように歩いた。
 庭の一番奥まで進むと、きびすを返して、私は言った。
 「皆で革命の歌を歌おう! 『ラ・マルセイエーズ』を歌って、一緒に行進しよう!」
 「ラ・マルセイエーズ」は、フランス大革命の渦中に誕生した歌であり、国歌である。
 しかし、血なまぐさい革命の歴史と、苛烈な歌詞に思いを巡らせたのか、青年たちは初め、小さな歌声であった。
 私は、一緒に歌を口ずさみ、芝生を踏んで、行進の先頭を歩きながら、「もっと大きな声で歌おう!」と呼びかけた。
 ――君たちよ、″正義の民衆の行進″を頼む! そのためにも、正義を叫び抜くことだ! 遠慮はいらない。断じて言論で勝つことだ!
 我らの革命は、どこまでも、生命の本源的変革である「人間革命」に基づく、「無血革命」であり、「平和革命」である。
 我らが掲げる指標は、仏法の人間主義であり、文化と教育と平和の旗印である。
 「マルション! マルション(進もう! 進もう)……」
 行進の足取りとともに、皆の歌声は力強さを増していった。
 私も、青年の高らかな歌声に合わせて、幾度も両手を上げ、勝利のVサインを送った。
 希望の革命の歌は、若き勇者の魂の大合唱となり、青い空に広がっていった。
5  生涯、無理解と中傷の嵐にさらされた文豪ユゴーは叫んだ。
 「日を空から離す事は出来ない。明日となれば曙の光が射す」(「追放」神津道一訳、『ユゴー全集』9所収、ユーゴー全集刊行会)
 この言葉の通り、我々は真実の太陽の光で、人間共和の″新たな千年紀″を拓くのだ!
 二十一世紀の開幕を祝福する「フランス青年文化祭」が、この十月一日、パリで、四千人の友が参加して開催された。
 テーマは「ラシュ・パ・ラ・フェール(あきらめないで)」。
 出演者の半数が会友の方々という祭典であった。強固な友情で築いた舞台は、″人間と人間の心の絆こそ、新しきヨーロッパ時代の要″と、うたい上げた大成功の祭典であった。
 妙法を抱いた我らに、絶望は断じてない。いかなる苦難があろうとも、永遠の希望の英雄として、勝利と栄光の凱旋門をめざして走る。
 進もう! 輝きわたる「人間革命の世紀」へ! わがフランスの友よ、その栄冠へのスタートである「二〇〇一年六月十四日」へ、″希望の大行進″を開始しよう!

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