Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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わが魂の「戸田大学」 師と共に歩んだ黄金の青春

1999.11.26 随筆 新・人間革命2 (池田大作全集第130巻)

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6  また、ある日、ある時――。
 「君は詩人だから、ホイットマンは、よく知っていると思うが、ちょっと聞いてみたい」
 「いや、あの……」あとは、言葉が出なかった。
 「ホイットマンについて、少し話してみろ。
 いつの時代の人物であったのか?」
 「ウォルト・ホイットマンは、一八一九年の生まれだったと思います」
 「そうか。どういう詩が有名だね?」
 「『大道の歌』とか、『開拓者たちよ! おお、開拓者たちよ!』でしょうか。
 『″人の自主″をわたしは歌う』といった詩も有名です」
 「それでは、その中から、君が好きな詩を、二、三行でもいいから、詠んでみなさい」
 背中から、涙のように冷や汗が出た。
 私は、「開拓者たちよ!」の詩の一節を暗誦した。
 「……わたしたちはここにぐずぐずしてはいられないのだ、愛する人々よ、わたしたちは進軍しなければならない、わたしたちは危険な矢面に立って耐えきらなければならない」(『詩集 草の葉』富田砕花訳、朝日新聞社)
 じっと聞いていた先生は、鋭いまなざしで言われた。
 「そうだ。何があっても、我々は進軍するのだ! 私は進むぞ。君も進め! 永遠に前へ」
 火を噴くような、厳しき声であった。

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