Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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起稿の天地・長野 「言論の国」から人間主義の光

1998.2.8 随筆 新・人間革命1 (池田大作全集第129巻)

前後
4  思えば、長野は「満蒙開拓」に、日本で一番多くの人を送り出した県である。その数、およそ3万4千人に上った。
 その半数近くの方々が、大陸で亡くなり、犠牲者の数も全国最多といわれる。
 戦争の傷跡は、この濃い緑の天地にもある。
 戦前、長野で活躍した反骨のジャーナリスト・桐生悠々ゆうゆう氏は言った。
 「信州は言論の国」と。
 聡明で、自立心の強い県民性が、闊達な言論を育んできたのであろうか。
 彼は、第二次大戦になだれ込む当時の世界を、「畜生道の地球」と断じた。人倫絶えたり、との叫びを放った。
 私も、権力の魔性がうごめく、現代の「畜生道」と戦うために、一人、人間主義の言論戦を勇敢に起こしたのである。
 わが師の心を胸に、この「言論の国」、思い出深き長野の地で!
 7日、いよいよ長野冬季五輪が開幕した。
 恩師も私も、幾度となく足を運び、幸福の楔を打ち込んできた天地で、平和の祭典が繰り広げられる。
 「平和こそ、人類の進むべき、根本の第一歩」――心から大成功を祈る。

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