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第41回「SGIの日」記念提言 「万人の尊厳 平和への大道」

2016.1.26 「SGIの日」記念提言(池田大作全集未収録分)

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35  世界青年サミットを継続的に開催
 明年は、戸田第2代会長の「原水爆禁止宣言」発表から60周年にあたります。
 この宣言を原点に活動を続けてきたSGIとしても、核兵器のない世界への潮流をいよいよ揺るぎないものに高めていきたい。
 そして、多くの国と市民社会が力を合わせ、民衆のイニシアチブによる“国際民衆法”としての意義も込めながら、核兵器の禁止と廃絶を何としても実現したいと決意するものです。
 「核兵器は過ぎ去った時代の象徴でありながら、今も現実の世界に甚大な脅威を突きつけています。しかし、私たちが紡いでいく未来には核兵器の居場所などありません」
 昨年8月、広島で行われた「核兵器廃絶のための世界青年サミット」で発表された「青年の誓い」の冒頭の一節です。
 SGIなど6団体からなる実行委員会が主催し、23カ国から青年が集ったサミットには、アフマド・アレンダヴィ国連事務総長青少年問題特使も出席し、被爆体験の継承や同世代の意識啓発をはじめ、人類共通の未来を守るための行動が誓い合われました。
 その成果は、国連総会第1委員会の関連行事として10月にニューヨークで行われた報告会でも発表され、若い世代が核兵器のない世界の実現に向け、国連や各地域でどのように行動し、問題解決のために参画できるかが議論されました。
 今後も志を同じくする人々や団体とともに、「核兵器廃絶のための世界青年サミット」を継続的に開催していきたいと思います。
 「核兵器の廃絶は私たちの責務であり、権利だ。核廃絶のチャンスが失われるのを、もはや黙って見過ごしはしない」
 「私たち青年は、あらゆる多様性と深い団結のもと、この目標の実現を誓う。私たちは『変革の世代』なのだ」
 国の違いを超えて青年たちが広島で分かち合った誓いが、世界に大きく広がっていけば、乗り越えられない壁などなく、実現できない目標などありません。
 若い世代の心に脈打つ誓いの深さこそが、核兵器によって多くの生命と尊厳が踏みにじられる世界ではなく、すべての人々が平和的に生き、尊厳を輝かせていくことのできる世界を築く何よりの礎なのです。
 私どもSGIは、「変革の世代」である青年の連帯を基盤としながら、核兵器の禁止と廃絶とともに、国連の新目標の達成を後押しし、「誰も置き去りにしない」世界への軌道を確かなものにすることを、ここに固く誓うものです。
36  語句の解説
 注1 持続可能な開発のための2030アジェンダ
  昨年9月の「国連持続可能な開発サミット」で採択された成果文書。宣言のほかに、17分野169項目からなる「持続可能な開発目標」が掲げられている。2030年までに、貧困や飢餓、エネルギーや気候変動など、多岐にわたる課題の包括的な解決を目指している。
 注2 長者窮子の譬え
 法華経信解品にある譬喩。幼い頃に家出し、他国を流浪した男が長者の家で仕事を得て、財産管理を任されるまでになったが、財産は自分と無縁のものと思い込んでいた。しかし長者が臨終を迎える時、自分が長者の実の息子であったことを聞かされ、無上の宝聚を求めずして得た喜びで歓喜する物語。「仏」を父、「衆生」を子に譬え、すべての衆生が仏と同じ最極の生命を開くことができるとの法理を示した。
 注3 仙台防災枠組
 2030年までの国際的な防災指針をまとめたもので、災害が起こる前からあった問題も含めて解決を目指す「ビルド・バック・ベター」の原則をはじめ、災害リスクの理解や強靱化に向けた防災への投資などを優先行動に掲げている。2005年から推進されてきた「兵庫行動枠組」の成果を踏まえ、昨年3月に採択された。
 注4 国連安全保障理事会決議1612
 2005年7月、国連安全保障理事会で採択された決議。紛争下で子どもの命を奪う行為をはじめ、子ども兵士の徴集、学校や病院への攻撃、人道的なアクセスの妨害や拒否など、子どもの権利の重大な侵害行為を監視し報告する仕組みが設けられたほか、安全保障理事会に「子どもと紛争に関する作業部会」が設置された。
 注5 パリ協定
 先進国の温室効果ガスの排出量削減を定めた「京都議定書」に代わる新しい枠組み。新興国や途上国を含め、195カ国が削減目標を国連に提出し、国内対策を実施することを義務付けた。2023年から5年ごとに進捗状況を検証する仕組みが設けられ、21世紀後半に排出量を森林などによる炭素吸収量と相殺して「実質ゼロ」にすることも目指されている。
 注6 武器貿易条約
 6年以上に及ぶ交渉を経て、2013年4月に国連総会で採択された、通常兵器の国際取引を規制する初めての条約。国際人道法や国際人権法に対する重大な違反をはじめ、テロ防止に関する条約の違反につながらないことなどを輸出の判断基準とし、ジェノサイド(集団殺害)、人道に対する罪、戦争犯罪に使用されることが明白な場合には輸出を禁じている。

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