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日蓮大聖人・池田大作

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まえがき 池田 大作  

「子供の世界」アリベルト・A・リハーノフ(池田大作全集第107巻)

前後
2  本書をひもとくと、ペレストロイカ以降のロシア社会の混迷の最大の犠牲者は子どもたちであることがよくわかり、痛ましい思いにかられるのは私一人ではないはずです。質こそ違え、日本でも同じでしょう。いじめや不登校、家庭内暴力などは、どこかで、日本の大人社会の歪みを告発するシグナルを発しているはずです。痛み、傷つく子どもたちを決して放置しておいてはならない――この共通の思いから、本書は生まれました。
 私たち大人には、子どもたちを守りぬく責任があります。「生命の尊厳」を人権の根本、教育の中核としていくとともに、新しき時代の人類精神として後世に伝えていく使命があります。
 いみじくもリハーノフ総裁は語っています。「あらゆる不幸は『日食』といえる。しかし、生命は、太陽そのものである」と――。
 子どもたちがそれぞれの内なる太陽を最大に発光させ、ともどもに幸福と平和を享受しゆく「生命の世紀」を開いていくために、私もまた、教育の聖業に尽力していきたいと願っています。
 最後になりますが、本書を上梓するにあたって、当初、教育専門誌「灯台」の一九九七年四月号から翌九八年五月号までの誌上で、十四回にわたって連載された内容に若干、筆を加えていることを付記しておきたいと思います。
 本対談集が、読者の皆さんにとって、英知と勇気みなぎる鳳雛を、二十一世紀の未来へと羽ばたかせていく知恵と創造のオアシスとなっていくならば、これに勝る喜びはありません。
  一九九八年九月八日

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