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日蓮大聖人・池田大作

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第21回「SGIの日」記念提言 第三の千年へ 世界市民の挑戦

1996.1.26 平和提言・教育提言・環境提言・講演(池田大作全集第101巻)

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47  あと五年程で「第三の千年」が開幕するといっても、時代が自然に新しく生まれ変わるというものではありません。あくまでそれは"時代の扉"を開く「人間の意志」にかかっております。人間には本来、新しい選択を創造し、その選択を行う能力が備わっているのです。私たちの現前に挑みかかるいかなる難事も、そのすべては人間自身が作り出したものである以上、自らの手で解決していく潜在能力がないわけではないのであります。
 人々が重大な難問に立ち向かう決意を固めると、最大の歴史形成力が始動すると指摘したのはトインビー博士でありますが、人間にはもとよりその能力が備わっているのであります。思うに、現前にある危機を深刻化させている要因は人間の能力の欠如ではなく、その能力に対する認識不足なのではないでしょうか。
 私のよき友人であったノーマン・カズンズ氏は、「悲観主義は、前途の展望を否定する行為によって、展望を忌避する。それは未来への視野を狭め、必要なことと可能なこととの関係を曖昧にする」(『人間の選択』、松田銑訳、角川選書)との警句を発し、人々がさしたる努力も尽くさないまま絶望してしまうことを厳しく戒めております。
 この言葉を改めて胸に刻み、私たちは決して「楽観主義」を手放すことなく、敢然と「必要なこと」を成し遂げる挑戦を、ともどもに開始してまいろうではありませんか。

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