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創立七十五周年記念各部代表協議会 新しい人材を! 「信行学」を磨け

2005.9.27 スピーチ(2005.8〜)(池田大作全集第99巻)

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13  傲慢から一切が狂っていく
 十九世紀のイタリア統一の英雄マッツィーニは述べている。
 「短気と人間の高慢とは、巧妙な悪事よりも、甚しく魂を邪道に導き陥れる」(『人間義務論』大類伸訳、岩波文庫)
 これが歴史の教訓である。自分が偉いと思って、傲慢になる。私欲に走る。そこから一切が狂っていく。
 これまでの反逆者も、傲慢な人間ばかりであった。
 著名な教育者であり、農政学者の新渡戸稲造博士。国際連盟の事務次長も務め、最後はカナダで亡くなった人物である。博士はつづっている。
 「人間の交際上最も邪魔になるもの、且つ日常生活を最も不愉快にするものは、威張る癖である」
 「日本人ほど威張りたがるものは類が少いかと思われる」(『人生読本』、『新渡戸稲造全集』10所収、教文館)
 鋭い指摘である。かつて日本は中国や韓・朝鮮半島の人々を見下して、侵略し、いじめぬいた。
 少しでも自分が上だと思うと、すぐに威張る。それでは真の友情を結ぶことはできないし、信頼を勝ち取こともできない。結局、皆から嫌われてしまう。
 また、新渡戸博士は、こうも記している。
 「世の中に出て、名を揚げ仕事を成した位な人は必らず勇気がある。勇気のない人に仕事の出来る筈がない」(『修養』同全集7所収)
 勇気こそ、偉大な事業を成し遂げる原動力である。私たちは、勇気を胸に進みたい。
14  さらに、スイスの哲学者ヒルティの言葉を紹介したい。
 「侮辱はかえってわれわれの心を堅固にし、確信を強めるものである」(『眠られぬ夜のために』草間平作・大和邦太郎訳、岩波書店)
 くだらぬ中傷や誹謗など、歯牙にもかけないことだ。むしろ、そうした迫害こそが、自分を強くしてくれる。そう決めて、堂々と進むことだ。
 ロシアの文豪トルストイは述べている。
 「苦悩なしに精神的成長はあり得ないし、生の拡大も不可能である」(『愛の暦』原久一郎訳、三笠書房)
 仏法では、「煩悩即菩提」と説く。悩みがあるから成長できる。苦悩があるからこそ、大きく境涯を開いていけるのである。
 また、中国の大教育者・陶行知とうこうちは、仕事に臨むにあたっての心構えについて、こう語っている。
 「第一に大切なことは、『持ち場にしっかり立つ』ということである。
 直接に一人一人の負っている責任は同じではなく、一人一人にはそれぞれ持ち場がある。
 各人が、自分の持ち場にしっかり立って、職務をよくおこなうこと、これが責任をはたす第一歩である」(梅根悟・勝田守一監修『民族解放の教育』斎藤秋男訳、明治図書出版)
 重要な言葉である。
 自分の持ち場で全力を尽くす。責任を果たす。そうした一人一人であっていただきたい。それが全体の勝利にも通じていくのである。
15  強き祈りで最高の親孝行を、和楽の家庭を
 皆さんのなかには、ご両親やご家族が病気の方も、おられると思う。
 私は、全同志の健康を、いつも真剣に祈っている。題目を送っている。
 病気といっても、さまざまな事情や状況があり、いちがいに言えない部分もあるかもしれない。しかし大切なことは、まず自分が、しっかりと家族の健康を祈っていくことだ。必ず病気を治すのだと決めて、本気で祈ることだ。
 自分が死に物狂いで祈る。必死になって広布へ戦う。その功徳は全部、親に通じていく。家族に伝わっていく。どこまでも強く、強く進むのだ。
 また、たとえば、病気のお母さんに対しては、「私が、お母さんのために真剣に祈っているから! 絶対に治るよ!」と声をかけて、励ましていってほしい。
 人間は、だれでも病気になる。大切なのは、病気の人が少しでも元気になるように、激励していくことだ。心を砕いていくことである。どうか、よろしくお伝えください。
 大切な皆さまである。全員が、各職場、各地域で、勝利の歴史をつづっていただきたい。
 何があっても、題目をあげぬいて、愉快な人生、朗らかな人生を生きていただきたい。
 青年部の皆さんは、少しでも親孝行をしてほしい。自分を育ててくれた親の恩に報いていく――仏法では、そうした生き方を教えている。
 根本は、自分がしっかりと信心に励んでいくことが、最高の親孝行である。その上で、感謝の気持ちを何かで表していくことだ。言葉でもいい。何でもいい。それが親にとって、どれほどうれしいか。
 親子であれ、夫婦であれ、真心の言葉と聡明な振る舞いが、和楽の家庭を築いていくのである。
 それでは、お元気で! きょうは、本当にご苦労さま! ありがとう!
 (創価文化会館)

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