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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会(6) 勝利の劇は「一人」への励ましから

2005.8.4 スピーチ(2005.4〜)(池田大作全集第98巻)

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4  悪を許さぬ明快さを持て
 現実の社会に正義を打ち立て、幸福の安全地帯を広げていく。それがわれらの前進である。
 釈尊はある時、「どのような種類の『出家』がいるかをお教えください」この弟子の質問に対して、「四種の『出家』」があると答えた。
 そして、そのうちの「道を汚す者」について、こう述べている。
 「よく誓いを守っている顔をして、ずうずうしく、名声を汚し、傲慢で、陰謀を企み、自制心なく、いらぬことをよく喋り、しかも振る舞いは礼儀正しそうな者。それが『道を汚す者』です」(スッタニパータ)
 「出家」の身でありながら、傲慢で、陰謀をめぐらす人間。日顕宗の坊主は、その典型である。立派そうなふりをして中身は卑しい人間に、決して、だまされてはならない。
 戸田先生が愛読された中国の古典『十八史略』。私も先生のもとで学んだ。その中で、ある戦を前にして、漢の高祖・劉邦に、ある者が次のように進言する。
 「徳に順う者は栄え、徳に逆らう者は滅びます。戦いも、それを起こすのに正しい名分がなければ、事はそのために失敗するものです。逆賊であることをはっきりさせれば、敵は敗れなびくものです」(『十八史略』上、今西凱夫訳、学習研究社)
 敵の非は何か。何のために戦うのか。それを明らかにしたほうが勝つ――そう訴えたのである。
 また、『十八史略』には、四世紀に後趙こうちょうの国を建てた石勒せきろくの言葉が記されている。
 「大丈夫たるもの、天下を狙うにもからりと公明正大であること、日月の輝きの如くでなくてはならぬ」(同前)
 リーダーが公正であり、悪を許さぬ明快さを持ってこそ、人々は信頼してついてくるのである。
5  わが地域を希望の理想郷に
 今年で、日航ジャンボ機の墜落事故から二十年になる。
 (一九八五年八月十二日、大阪へ向けて東京・羽田空港を飛び立った日本航空のジャンボ機が、群馬県上野村の御巣鷹山付近に墜落。乗員・乗客五百二十人が亡くなり、四人が救出された)
 私は妻とともに、亡くなられた方々の追善を懇ろにさせていただいた。まことに痛ましい事故であった。あの日のことは、今でも忘れられない。
 昨年も少し紹介させていただいたが、事故のさい、現場に駆けつけた地元の消防団のなかにも、二人のわが同志がおられた。お二人は、地域貢献の活動を誠実に続けてこられた。
 地域に根を張り、人々のために尽くすことが、どれほど偉大なことか。地道な活動が、深き信頼を築いていく。わが地域を、希望輝く理想郷へと変革する力となる。
 地域のために尽力を続ける各地の友の功労を、最大に讃えたい。
6  日蓮大聖人は「謀を帷帳の中に回らし勝つことを千里の外に決せし者なり」と仰せである。
 最高の作戦を立てるのだ。合議が大事である。その上で、決然たる行動が、勝利を開く。
 ベートーヴェンの音楽のように劇的に、また繊細に、友の心を鼓舞する名指揮をお願いしたい。
 広布の戦いは、一面では大変である。しかし、皆のため、広布のために尽くしていった分だけ、大きな功徳を受けることができる。生々世々、偉大な指導者として、最高の幸福境涯で生まれてくる。その因を積むことができるのである。
 青年部は縦横無尽に、わが使命の天地を駆けめぐっていただきたい。
 とくに新任のリーダーは、決して「殿様」になってはいけない。人ではなく自分が苦労を引き受ける――それが二十一世紀のリーダーの要件であることを忘れないでいただきたい。
 (長野研修道場)

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