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日蓮大聖人・池田大作

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ペルー国立教育大学「名誉博士号」授与式… 青年よ 正しき哲学を持て!

2005.1.22 スピーチ(2004.9〜)(池田大作全集第97巻)

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9  障害や試練を越えた原動力
 現在、新たな千円札の肖像画となっているのは、医学者の野口英世博士である。博士は、一九二〇年、ぺルーを訪問し、現地の医学者と力を合わせて、難病の解決に大きく貢献している。
 この野口博士が、手の障害や幾多の試練にも負けずに、世界的な研究を行い、活躍できたのは、なぜか。博士は″恩師のおかげである″と述べている。
 ここに人間としての偉大さがあると私は思う。
 戸田先生も、師弟の鮮の深さについて、涙を流しながら「俺と牧口先生は、こうだったよ」「お前とも同じだな」と私に語っておられた。二人きりの時であった。今の人には、なかなかわからないかもしれない。
 博士はつづっている。
 自分の成功が世のためになったとすれば、それは思師がなされたものです。私はただ、恩師の代わりに、これを行う役を受けただけです――と。
 (野口博士は、恩師にあてた書簡に記している。
 「小子の成功が世の為めとなるものありとすれば是れ即ち慈母ハ勿論なれ共御両親様〈=思師である小林栄夫妻のこと〉のなされしものニて小子ハ単ニ是れをなすの役を受けたるものと信じ候」〔丹実編、『野口英世』2、講談社〕
 博士は、恩師である小林栄夫妻のことを、深い尊敬をこめて「父上」「母上」と呼び、海外から多数の手紙を書き送っていた)
 この言葉を読んで、私は泣いた。恩師への深い「心」を感じた。師弟の道に徹しぬく人生ほど、強く深く、そして美しいものは絶対にない。そのことを、どうか諸君も知っていただきたい。
 ともあれ、希望に燃えゆく、晴ればれとした次の五十年へ、新しい創価学会の「師弟不二の大勝利」を、きょう集った大事な大事な青年部の諸君に全部託しておきたい。頼むよ!(「ハイ!」と力強い返事が)
10  教育は子どもの幸福のために
 ペルーの教育史に燦然と輝くホセ・アントニオ・エンシーナス先生も、百年ほど前、貴大学の前身にあたる師範学校を卒業している。この若き教育者は、二十代の生命を燃焼させながら、古い教育に断固として勇敢に立ち向かい、新しい挑戦を開始した。
 改革を始めるのは、つねに勇気ある青年である。青年が強くなって、下から上へ「改革」を、「革命」を起こすのである。牧口先生も、同じように訴えておられた。
 教育は、あくまでも″子どもの幸福″のためにある――これが貴大学に学んだ改革者の確信であった。創価教育の精神と、完壁に一致している。
 そして若きエンシーナス先生は、傲慢な聖職者による教育への介入などから、子どもたちを守るために決然と戦い続けた。
11  「私は学生の先頭に立つ!」
 後にエンシーナス先生は、サンマルコス大学の総長に就任する。
 学生の権利を護るために、独裁的な政治家ともまっとうから対決した。
 ″学生の側に立って教育するのか。それとも政府の側に立って教育するのか″――このように問いつめられる状況もあった。
 その時、エンシーナス先生は厳然と、そして悠然と、こう答えたのである。
 「私は、『学生の側に立つ』どころか、『学生の先頭に立っている』のです!」と。
 青年の道を開くため、命をなげうって戦ったエンシーナス先生の行動こそ正しい。これこそ、人間教育の魂である。(拍手)
 私もまた、一生涯、青年の側に立ち、そして青年の先頭に立って、戦いゆく決心である。
 諸君、一緒に戦おう! 断じて、勝って勝って、勝ちまくって一生を送ろう!
 結びに、ぺルーで″青年の詩人″として知られるホセ・ガルベスの詩を、諸君に贈りたい。
 「『倒れるまで戦いに戦おう!』という
 華々しい標語ではなく、
 『勝つまで戦いに戦う』という
 勝利への崇高なる心意気で!」
 戦いにおいては、一見、華々しい、口先だけの、人気取りの振る舞いは必要ない。
 「勝つ」ことが重要である。″勝つまで戦う″″戦って勝ち抜くのだ!″――わが世界一の青年部も、この心意気でいきましょう!
 愛するペルーの平和と繁栄を、私たちは、心からお祈り申し上げたい。
 そして、インカ時代にも人々から愛され、。ペルーを代表する花である「ラ・カントゥータ」のごとく、貴大学から、青年の希望と栄光の花が、さらに爛漫と咲き薫りゆくことを、お祈り申し上げます。
 「『太陽の国』ぺルー共和国、万歳!」「『勝利の太陽』わが青年部、万歳!」と申し上げて、私のスピーチを終わります。ありがとう!
 (東京牧口記念会館)

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