Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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各部代表者会議 師弟に生きぬく青春は美しい

2004.9.29 スピーチ(2004.9〜)(池田大作全集第97巻)

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11  真心と祈りが人を動かす
 会員に奉仕しゆくリーダーの要件は何か?
 だれよりも、自分自身が会員の幸福を祈り、自分自身が会員に尽くしていくことだ。
 自分自身が、学会のリーダーとして、「さすがだ」「立派だ」と言われる人になることだ。
 自分自身が、「御本尊に向かうように」会員に向かい、会員一人一人を尊敬し、大切にしていくことだ。すべては、会員が根本である。会員がいなければ学会はない。広宣流布もできない。会合も必要なければ、もちろん幹部もいらない。
 すべては、会員のおかげである。会員がいるから学会はあるのだ。私自身、万事、その心で、会員のためになるならば、どんな小さなことにも魂魄をそそいできた。
 「一念三千」の仏法であるから、心は、すべて通じていく。
 言葉一つ、手紙一つ、電話一つにも、真心をこめていくことだ。そこから一切は開けていく。
 どうすれば人の心をつかむことができるか――どの企業も団体も、その一点を真剣に模索している。お辞儀の仕方一つでも、きちんと訓練する。どこも生き残りをかけて、必死である。
 仏法は、最高の人間学である。それを持った私たちは、会員に喜びと希望をあたえゆく、時代の最先端のリーダーでなければならない。
 「一騎当千のリーダーたれ!」――これが戸田先生の遺言であった。
 良き模範として、皆の依怙依託の存在になっていただきたい。
 シラーは、ドイツが誇る大詩人である。
 彼は、詩や劇によって「人間の精神の自由」を謳いあげた。
 シラーはつづった。
 「悪徳を攻撃し、宗教、道徳、社会の法則の敵に復讐することを目的とする」(『群盗』の序文〈一七八一年〉の言葉。ロマン・ロランが「民衆劇論」〈宮本正清訳、『ロマン・ロラン全集』11所収、みすず書房〉で紹介)
 悪徳に対し、人間精神の敵に対して、シラーは「芸術の光」をもって立ち向かった。
 シラーは、ある戯曲の中で呼びかけた。
 「太陽の輝くかぎり、希望というものはあるのです」(『メッシーナの花嫁』相良守峯訳、岩波文庫)
 生ある限り、希望はあるのだ。たとえ、雨や嵐の日でも、雲を突き抜ければ、太陽はいつも輝く。太陽と希望は一体である。リーダーは、友に希望を贈りゆく「太陽」であっていただきたい。
 シラーは晩年、一つの戯曲を書きあげる。
 幼い息子の頭上のリンゴを矢で射貫く伝説のスイスの英雄「ウィリアム・テル」の物語である。そこにつづられた珠玉の言葉を紹介したい。(『ヴィルヘルム・テル』桜井政隆・桜井国隆訳、岩波文庫。以下同書から引用・参照)
 威張り散らす悪代官。その横暴を、どうしたらいいか。
 聡明な婦人が言う。
 「悧巧な人は先手を打ちますよ」
 人生に勝ち、社会で勝つために「先手」を打つことだ。会議や打ち合わせも、そのためにある。
 やがて勇士が立ち上がり、たがいに誓いあう。
 「あの天上の永遠の星辰にかけて誓言いたしますが、私は決して正義に背くようなことはいたしません」
 正義に背かない生き方を!――われらの信仰の道もまた同じである。
 ふらふらする情けない男性に対して、勇敢なる女性は毅然と叫ぶ。
 「立派な人には何が同胞よりも大切ですか。
 気高い心にとっては、潔白な人民の擁護者になって、
 しいたげられた者の権利をまもるよりも、
 もっと立派な義務があるものでしょうか」
 同胞ほど大切なものはない。潔白な人民ほど尊いものはない。
 さらに民衆の連帯は広がる。戦い半ばに倒れた一人が、未来を見つめて呼びかける。
 「固く団結してくれ。――固く、永久にだ」
 「一致してくれ。――一致だ。――一致だ」
 勝利は成った。自由が来た。その時、民衆のリーダーは、こう語る。
 「なんの、仕事は始まったばかりで、仕あがったのじゃない。お互に勇気と堅い団結が必要なのはこれからだ」
 わが学会も、決して油断せず、心を「一致」させ、「勇気」と「固い団結」で進んできた。民衆の新時代を切り開いた。だからこそ世界百九十カ国・地域へと大発展を遂げたのである。
 臆病な人間、意気地なしの人間は、結局、敗北してしまう。賢明な人間、勇敢に戦いぬいた人間が勝つ。
 それが人生の鉄則である。
 これからも、ともどもに勝利また勝利の大道を進みたい。(拍手)
12  「この作家のことならまかせておけ」
 シラーが生きた十八世紀後半。ドイツでは「人間性の解放」を訴える革命的な文芸運動「疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)」が起きた。
 シラーはゲーテとともに、その旗手として活躍する。二人の深き友情は有名である。
 彼らが生きた時代、ドイツは、文化の輝きで世界を照らした。
 ゲーテとシラー。私も青春時代から大好きな詩人であった。徹底して読んだ思い出も懐かしい。
 どうか青年部の皆さんは、「この作家のことなら、何でも聞いてください」「御書の講義は、まかせてください」と言えるくらいに、徹して学んでいただきたい。智慧を磨いてほしい。
 知識は智慧の水を汲み上げるポンプである。
 シラーの″詩人の眼″は、人間の内面を見つめていた。彼は言う。
 「真剣な努力の意志は、精神の大いなる、最も美しい性質である」(ペーターゼン編『シラーの対話』橋本忠夫訳編、教材社)
 「心こそ大切」である。「挑戦し続ける心」は美しい。その人は必ず光っていく。
13  ドイツに続いて、ロシアの文豪の言葉にふれたい。
 トルストイは喝破した。
 「高慢な人間には多くの罰が降りかかる」(『人生の道』上、原久一郎訳、岩波文庫)
 文豪の人間への洞察は仏法にも通ずると思う。
 広布破壊の反逆者が、だれからも相手にされず哀れな末路をたどっていることは、皆さまがよくご存じのとおりである。
 終わりに、広布に励む皆さまへの御礼に、一曲、ピアノの演奏を贈りたい。
 (=名誉会長が、父子の魂の継承を謳った「大楠公」を奏でた)
 どうかお元気で! きょう、お会いできなかった方々にも、どうかよろしくお伝えください。
 一家一族のご繁栄を心から祈ります。本当にご苦労さま。ありがとう!
 (創価文化会館)

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