Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

各部合同協議会 君よ心に勇気のマーチを

2004.6.18 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

前後
5  「二十世紀の諸葛孔明」たる周総理の不滅の将軍学に、学ぶべき点はまことに多い。
 趙先生が長年、周総理夫妻と生活をともにするなかで、大きな影響を受けたことは、何であったか。それは「節約をする」心がけだという。
 総理夫妻は、自分の身の周りは、何事も質素であった。浪費を徹して戒めた。
 たとえば鄧穎超とうえいちょう先生は、電気がむだについているのを見れば、すぐに消させた。水道の蛇口が必要以上に開けられ、水が余分に流れているのを見れば、必ず注意した。
 一事が万事である。小事が大事である。
 思えば三十年前、私との会見の席で、周総理は、まだ豊かとはいえなかった当時の中国の経済事情を、率直に語ってくださった。
 趙先生は振り返っておられる。周総理は、持っている衣服も少なく、何度も修繕を重ねて、大切に着続けていたと。
 どこまでも、人民と苦楽をともにされゆくお姿であった。
 節約をする。むだを省く。堅実に工夫し、知恵をわかせていく――。それは、国家であれ、団体であれ、家庭であれ、よりよき繁栄をめざす真剣さの表れである。全体のこと、未来のことを考え、恒久的なすばらしい城をつくろうとする責任感の表れと言ってよい。
 どんな世界も、見栄や格好、贅沢や放逸に流されていくところから、崩れ始める。これは、歴史の鉄則である。
 若き日に読んだ哲学者・三木清の言葉に「虚栄は最も多くの場合消費と結び附いている」とあった。(『人生論ノート』、『三木清全集』1所収、岩波書店)
 見栄を張らず、人まねをせずに、自分らしく勝利することだ。
 また、「本当の倹約とは、つねにより高い次元において消費することである」と述べたのは、アメリカの思想家エマーソンである。(「富」、『エマソン選集』3〈小泉一郎訳〉所収、日本教文社)
 たしかに、そのとおりだ。私自身、節約し倹約して、そのぶんを「創価教育のために」、そしてまた「広宣流布のために」「同志のために」との決心で進んできた。妙法のために生きれば、さらに福運がついてくるのである。
 中日友好協会副会長の王效賢おうこうけん先生もまた、周総理夫妻の志を受け継いでおられる。王先生は、とくに、創価の女性のスクラムに多大な信頼と希望を寄せ、こう語られている。
 「私は聖教新聞を毎号、読んでいます。紙面にあふれる創価学会の女性の皆さんの活躍は、本当に素晴らしい」
 「創価学会の女性の皆さんの知恵と勇気と行動が、平和の逆行に歯止めをかけ、『人民が主人となる』時代を開く力になると確信します」(「聖教新聞」二〇〇四年六月一日付)
 われらの勝利が、人類史の新たな時代を開く。世界がそれを待っている。
 いよいよ力強く、いよいよ勇敢に、人間主義の勝利へ大前進してまいりたい。
6  真実への情熱、虚偽への怒りをもて
 きょうは、フランス創価学会のメンバーも参加されている。遠いところ、ご苦労さま!
 「教育の危機は、教育の危機ではない。それは生命の危機なのだ」(『半月手帖』平野威馬訳、昭森社)
 この有名な箴言を残したのは、フランスの詩人ペギー(一八七三年〜一九一四年)であった。
 ペギーは、かの「ドレフュス事件」のさいも、奮然と、虚偽や不正に立ち向かった。
 (ドレフュス事件は、一八九四年に、ユダヤ人砲兵大尉ドレフュスがスパイ容疑をかけられ、無実の罪で逮捕、弾圧された事件)
 その若き胸中には、「真実への情熱、正義への情熱、そして虚偽への怒りといらだち、うそと不正への許しがたい気持ち」(『もう一つのドレフュス事件』大野一道訳、新評論、訳者解説から)が燃えあがっていた。
 ペギーは、烈々たる闘魂の言論人であった。彼は訴えている。
 「嘲弄(=あざけり)の上にはいかなる文化もつくられないし、つくりなおすこともできない。嘲弄や皮肉や不正は野蛮人のものだ」「悪口では文化の再建はできない」(『われらの青春』磯見辰典訳、中央出版会)
 現代にも通ずる警鐘と言えよう。
 正義の人を嘲弄し、悪口でおとしめる社会は、必ず行き詰まっていく。だからこそ、人間主義の確固たる大哲学を掲げた創価の文化運動が、深く強く求められるのである。
 いかなる悪口罵詈も敢然と打ち破りながら、「生命の世紀」の新たな大建設を、私たちは断行してまいりたい。
 ペギーは叫んだ。
 「デマゴギイ(=デマ)に対する戦いはすべてのたたかいの中でいちばん永続的なものである」(前掲『半月手帖』)
 正義と真実の言論を、断固として師子吼していかねばならない。
7  「われは勝ちたり」と叫べる日々を
 東京富士美術館では、今秋、「ヴィクトル・ユゴーとロマン派展」が開幕する。
 この展覧会は、大文豪の生誕二百周年(二〇〇二年)の意義を刻むもので、フランスの国宝六点も、日本初公開される予定である。
 (=フランスのヴィクトル・ユゴー文学記念館と共催し、文豪の校正刷り、直筆書簡、写真など、ゆかりの品々を紹介。ルーブル、オルセーなど世界的美術館の名品が公開された)
 そのユゴーの言葉を、皆さま方に贈りたい。
 「我等の魂には、唯一の感情、友情があるばかりではないか」「強勁(=強いこと)ならんがために集団せよ、幸福ならんがために一致せよ」(『追放』、『ユーゴー全集』9、神津道一訳、ユーゴー全集刊行会)
 団結せよ、一致せよ――と。
 そして「若い立派な才の持主であり高尚なる精神の持主たる諸君に依って漸次光明は輝いて来るのである」「諸君の如き若き人々が勝利をかちうるのである」(同前)とユゴーは謳っている。
 若き青年部を先頭に、正義の勝利へ進みたい。全員が最高に価値ある人生を生き、すばらしき歴史を残すのだ。「われは勝ちたり」と言いきれる、一人一人になっていただきたい。
 日蓮大聖人は「法自ら弘まらず人・法を弘むる故に人法ともに尊し」と仰せである。さらに、「法華経を信ずる人は・さいわいを万里の外よりあつむべし」と断言しておられる。
 皆さま方の栄光の総仕上げの人生は、御聖訓に照らして間違いない。その確信と誇りをもち続けてください。
 きょうは本当にご苦労さま! 全同志の「完全勝利」を祈ります。
 海外の方々も、いつまでもお元気で、健康で、すばらしい人生を!
 大切な同志の皆さまに、どうかくれぐれも、よろしくお伝えください。ありがとう!
 (東京・新宿区内)

1
5