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日蓮大聖人・池田大作

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婦人部の神奈川・埼玉・千葉代表との協議… 世界の文学を語る(4)デュマ『モンテ・クリスト伯』

2001.3.5 スピーチ(2000.11〜)(池田大作全集第92巻)

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13  この『モンテ・クリスト伯』の物語を支えに、立ち上がった人物は多い。その一人がフィリピン独立の英雄、ホセ・リサール博士である。リサール博士は、少年時代に、最愛の母を、無実の罪で二年半も投獄された。
 『モンテ・クリスト伯』を深く胸に刻んだ博士は、母のために、そして理不尽な権力の犠牲となった民衆の仇を討つために、戦い、殉じていったのである。
 さらに私は、「二十世紀の巌窟王」――南アフリカのマンデラ前大統領を思い出す。人間の平等と尊厳のために、二十七年間、一万日もの獄中闘争を貫いたマンデラ氏。出獄後に来日され、わざわざ聖教新聞社を訪問してくださった。(一九九〇年十月三十一日)
 創価の青年の真心の歓迎を、何よりも喜んでくださった。
 (マンデラ氏は語った。「日本での滞在中、もっともうれしかったことは、池田SGI会長にお会いしたことです。そのさい、若い学生の人たちがあたたかく出迎えてくださり、私たちが愛唱している歌まで歌ってくれた。二十七年間、とらわれの身で戦ってきた努力がこれで報われた」
 「こんなにも、はつらつとした心の豊かな若者を何十万と育ててこられたSGI会長の大きな人格を、学ばせていただいた」と)
 マンデラ氏の信頼に、私は行動でお応えしたかった。その一つの結晶が、これまで、世界八カ国三十七都市で開催してきた「現代世界の人権」展である。
 戸田先生が開始した「巌窟王」の正義の闘争は、今や世界の良識が連帯して、「人権の世紀」を創造しゆく、うねりとなっている。
 新世紀の平和の民衆勢力の「柱」となり、「眼目」となり、「大船」となるのはSGIであると確信する。今こそ、福徳の地盤、繁栄の地盤、広宣流布の地盤を悠々と築きながら、「創価の世紀」を開いてまいりたい。
14  信心は宝を出す「打ち出の小槌」
 女性門下に贈られた御書を拝したい。
 「この御本尊は、まったくよそに求めてはなりません。ただ、我ら衆生が法華経を受持し、南無妙法蓮華経と唱える胸中の肉団にいらっしゃるのです。これを『九識心王真如の都』というのです」(御書1244㌻、通解)
 広宣流布に戦う皆さま方の胸中にこそ、宇宙最高の「生命の都」がある。無限の宝は、わが胸中にある。生命それ自体が、宝の集まりである。その宝を、「打ち出の小槌」のように、自由自在に引き出すのが「信心」なのである。
15  『モンテ・クリスト伯』の結びに、掲げられた言葉は何か。
 それは、「待て、しかして希望せよ!」である。
 大切なのは、「時」を待ち、「時」をつくりながら、すべてを勝ち越えていく「忍耐」と「希望」の力である。
 この言葉こそ、人間の英知の結晶といえよう。
 二〇〇一年の三・一六「広宣流布記念の日」を晴ればれと飾り、忍耐強く、そして希望に燃えて、朗らかに、にぎやかに、勝ち進んでいくことを約しあって、記念のスピーチとさせていただ
 (東京・信濃文化センター)

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