Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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全国総県長会議 御書に学ぶ常勝の智慧

1999.6.9 スピーチ(1998.11〜)(池田大作全集第90巻)

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10  「執念」で勝て 「味方」をつくれ
 「周」の勝因の第三に「異体同心の団結」がある。
 これまで何度も拝読してきた有名な御文に仰せの通りである。
 「異体同心なれば万事を成し同体異心なれば諸事叶う事なし
 「殷の紂王は七十万騎なれども同体異心なればいくさけぬ、周の武王は八百人なれども異体同心なればちぬ
 文王の後を継いだ武王は、周の総帥として決戦に臨んだ。
 彼は、まず、第一声から、戦士たちをねぎらった。「遠いところを、よく来てくれたなあ!」と。さらに、当時、野蛮国とされていた小国の人々に、一つ一つ、国の名を挙げて呼びかけ、奮闘を促した。
 ともあれ、妙法の世界にあっては、御本尊の前に、皆、平等である。上からの権威や、命令で、人を動かせると思ってはならない。同じ人間として、人間の心をつかみ、人間を引っ張っていくのである。
 ここにこそ、真の張り合いが生まれ、大いなる力が糾合されていく。
 団結固き「周」の陣列は、皆、意気揚々と進軍した。軍鼓を打ち鳴らし、戦に向かう鬨の声をあげ、足を踏み鳴らしながら行進した。前方の友が歌を歌えば、後方の友は舞を舞った。
 一方、「殷」の兵士たちは大軍ではあったが、堕落しきった独裁権力のもとに集められており、戦意をなくしていた。むしろ皆、心の中では、「周」が攻め入って、邪悪を打倒してくれることさえ待ち望んでいた。だから、なかには武器を逆さまにして、「周」の進軍の道を、進んで開ける者までいたというのである。
 こちらに団結があり、勢いがあれば、必ず「道」は開ける。ましてや、御書には、「魔及び魔民有りと雖も皆仏法を護る」と法華経の文を引かれている。
 正法正義の味方をつくり、味方を増やすこと――これが「広宣流布」の根本である。
11  第四に、「周」の勝利の根底には「正義の執念」があった。
 御書には「周の武王は父の形を木像に造つて車にのせて戦の大将と定めて天感を蒙り殷の紂王をうつ」――周の武王は、亡くなった父(文王)の姿を木像に刻み、車に乗せて『戦の大将』と定めた。(この孝心に)感応した天の加護を受けて、殷の紂王を討つことができた――と記されている。
 父・文王は、民衆から慕われ、多くの国の人々から敬愛される名君であった。恐れを抱いた紂王は、文王を幽閉して苦しめた。文王は、暴君の矢面に立って、じっと耐え抜きながら、「時」を待ち「時」をつくった。勢力を一歩一歩、拡大していった。
 武王は父の志を継ぎ、「正義の執念」を燃やし続けた。父の仇を討たんと死力を尽くした。だから強かった。だから負けなかった。だから最後に勝った。
 いわんや仏法は、仏と魔との大闘争である。「断じて勝つ!」執念が天をも動かす。わが学会は、大聖人に直結し、牧口先生、戸田先生以来、法華経と御書に仰せの通り、極悪の仏敵と戦い抜いてきた。この大闘争に明確な決着をつける「新世紀の勝利」は、わが青年部の諸君に託したい。
12  「民衆組織」がリード、人類史を大転換
 ところで、私たちSGI(創価学会インタナショナル)をはじめとする民衆の連帯は、ご存じのように「NGO(非政府組織)」と呼ばれる。しかし、現在、心ある識者は、この「政府に非ざる組織」という消極的な位置づけに対して、発想の転換を促しておられる。(名誉会長と対談集を発刊した平和学の創始者ガルトゥング博士など)
 すなわち、もっと積極的に、NGOを「民衆組織」「国際民衆組織」と呼ぶべきである。そして、世界市民に対して無責任な政府系の組織のほうこそ、「非民衆組織」(民衆に非ざる組織)と呼ぶべきではないか、と。
 いずれにせよ、「生命尊厳」の大哲学に立脚した、創価学会という真正の民衆組織が、ますます主体性を発揮し、世界に発展していくことを、第一級の知性は期待しているのである。
 我ら民衆と民衆による「平和」と「文化」と「教育」の善なる大連合は、何ものにも左右されない。否、我らが主役となって、一切が「人道」と「共生」と「繁栄」の方向へ向かうよう、監視し、リードしながら、人類史を大転換しゆく時代に入ったのである。
 古代ローマの雄弁家キケロは言った。
 「すべての者を公平な正義に基づいて結合することこそ、善良な市民の最高の政治であり、最も優れた叡智である」(『義務について』角南一郎訳、現代思潮社)
 結びに、「戦うことが、わが健康法なり」とは、ロマン・ロランの言葉である。
 我々も、広宣流布のために、ともに若々しく戦おう!
 創価学会の永遠不滅のために、堂々と戦おう!
 そして、世界の平和のために、広宣流布を断固としてやり抜こう!
 こう申し上げ、記念のメッセージとしたい。
 (創価学会本部)

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