Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第1回全国学生部幹部会 「民衆の世紀」の夜明けへ太陽と輝け

1997.4.15 スピーチ(1996.6〜)(池田大作全集第87巻)

前後
16  試練に鍛えられた天才レオナルド・ダ・ヴィンチ
 さて、一四五二年、今から五百四十五年前の、きょう四月十五日に生まれた大芸術家がいる。″ルネサンスの巨人″レオナルド・ダ・ヴィンチ(一四五二年〜一五一九年)である。
 レオナルドについては、三年前(一九九四年)の六月、イタリアのボローニャ大学でも講演した。
 (九百年の伝統を誇る世界最古の総合大学。SGI会長には、この折、同大学から博士の証である「ドクター・リング」が贈られた)
 タイトルは、「レオナルドの眼と人類の議会――国連の未来についての考察」(本全集第二巻収録)。
 幸い、イタリアでも、かなりの評価をいただいたようである。
 レオナルドは、画家であり、彫刻家であり、また科学者、技術者、哲学者としても、多くの業績を残した。偉大な天才である。彼の有名な言葉がある。
 「大なる苦悩なくしては、如何なる完成せる才能もあり得ない」(カール・ヤスパース『リオナルド・ダ・ヴィンチ』藤田赤二訳、理想社)
 要するに、苦しみという″根″があってこそ、才能の″開花″もあるということであろう。
 講演のあと、ミラノに移り、私はミラノ城(スフォルチェスコ城)を訪れた。そこで、レオナルドが部屋一面に描いた天井画と壁画を見た。
 樹木の″根″の部分まで克明に描写されていた。普通、樹木を描いても、根までは描かない。しかし、レオナルドは、根に着目し、全部、描いていた。忘れられない光景である。
 諸君も自身の″揺るぎない根″を大切に育てていただきたい。
17  レオナルドは、こうも述べている。
 「純金は火によって精錬される」「まことの金は試金石に会いて識られる」(『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』杉浦明平訳、岩波文庫)
 日蓮大聖人も仰せである。
 「石はやけばはいとなる金は・やけば真金となる」、「賢聖は罵詈して試みるなるべし
 試練に鍛えられてこそ、本物ができる。苦難に試されてこそ、真価は明らかになる。
 レオナルドの生涯は、無理解や、嫉妬の批判の連続であった。これだけの天才であったにもかかわらず、いや、むしろ、天才であったがゆえに批判された。
 大聖人の御生涯も、迫害に次ぐ迫害の連続であった。偉大であればあるほど、迫害される――これが世の常である。人間世界の実相である。
 しかし、レオナルドは、厳然として動じない。こう記す。
 「真理――太陽。嘘――仮面」(杉浦明平訳、前掲書)と。
 ウソは仮面である。闇のなかで本性を隠そうとする。しかし、「真理の太陽」のもとでは、隠れるものは何もない。その太陽の火は、あらゆるウソの詭弁家を焼きつくして、真実を白日のもとに明らかにする。真実は、絶対に隠せない! 偽りは、必ず打ち破られる!――これがレオナルドの確信であった。
 私も同じ信念である。真実ほど、強いものはない。真実に生き抜く人生は、最後に必ず勝つ。また、勝たねばならない。
18  正義の「太陽」と燃えよ!
 日本は今、価値観も、哲学も、信念も何もない社会になってしまった。この社会の闇を、「真実の太陽」で「正義の太陽」で焼きつくしていかねばならない。
 そのためには、諸君自身が、厳然と輝く「太陽」となって、二十一世紀を正しく照らしていくしかない。それ以外に、日本の未来は開けない。
 ゆえに、限りない期待をこめて、諸君に、こう申し上げたい。
 戦う学生部たれ!
 正と邪を、はっきりさせる学生部たれ!
 学生部、ここにあり、という旗を立てよ!
 ″生命のルネサンス″の先頭で、さっそうと道を開いていっていただきたい――と。
 きょうは、遠方からも各大学のメンバーが参加しておられる。本当にご苦労さま!
 また、お会いしましょう! お元気で!

1
16