Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第2回沖縄最高会議 民衆こそ尊極の宝

1997.2.27 スピーチ(1996.6〜)(池田大作全集第87巻)

前後
8  大乗仏教は″悩みの疾風″を″創造の追い風″に変える
 いかなる時代になろうと、人生は、さまざまな悩みの連続である。とくに、青春時代は、そうである。しかし、だれ人も、その悩みを乗り越え、勝ち越え、生きて、生きて、生き抜いていかねばならない。そのための原動力こそが、信仰なのである。
 なかんずく、「煩悩即菩提」「生死即涅槃」を明確に説いた大乗仏教の法理には、世界の知性も、注目を寄せ始めている。ここ沖縄を訪れ、皆さまとの出会いを心から喜んでおられたロシアのヤコブレフ博士も、その一人である。
 ご存じのように、博士は「ペレストロイカの設計者」として、歴史的な役割を果たしてこられた方である。信念の獅子である。
 そのヤコブレフ博士いわく、「大乗仏教の思想によって、人は『悩みの疾風』を『創造の追い風』と変えることができる。人間が、矛盾する願望と感情によって、バラバラに引き裂かれている現在、これは非常に切実なことである」と。
 博士は、こうも書いている。「偉大なるヒューマニズムの時代へと、人間が行動するとき、そのパートナーとなるのは、偉大なる宗教の人間愛であるに違いない。そして、仏法哲理を掲げて、その先駆をゆくのが、池田大作という賢明なる思想家、行動家の率いる価値創造の団体『創価学会インタナショナル』なのである」
 広宣流布の大願に生きゆく青春は、また人生は、友のために、社会のために、あえて悩みを背負っていく生き方である。「どうしたら、あの人が立ち上がるか」「どうしたら、この人に勇気を与えられるか」「どうしたら、わが地域を前進させられるか」等々――。
 その悩みゆく姿それ自体が、菩薩の姿であり、さらに仏の心に通じている。こうした大きな悩みに、自分の小さな悩みは、全部、包まれ、昇華されていく。
 大きく悩んだ分、大きく境涯が広がっていく。そして、無我夢中になって戦っていくなかで、いつしか、かつての悩みが、一切、打開されていることを発見するものである。
9  人生最後の勝利へ晴ればれと!
 学会は、日蓮大聖人の仰せのままに進んできた。ゆえに、「此の四人の大菩薩・前後左右に立そひて」との御金言のとおり、学会の同志を守ってくださる。その大功徳を確信し、仏勅の使命の道に生き抜いていただきたい。
 人生の総決算は「死」の時である。人間は「生きたようにしか死ねない」ものである。どう生きたか、どう「わが生命の中身」を充実させてきたか――それが全部、一生の最後に現れる。
 妙法に生き抜いた人生の素晴らしさは、その時に深く深く実感されるに違いない。わが同志の人生最後の「勝利」と「栄光」と「遊楽」は間違いないと断言しておきたい。
10  沖縄健児――沖縄の青年部に期待したい。
 ゲーテは呼びかけた。
  どれほど深く苦悩にひたっていようとも
  きみはやはり青春の幸に生れた身
  勇気をふるいたまえ、敏捷なすこやかな歩みに。
  友情にかがやくあかるい空へ歩をはこび、
  思いやりのある善きひとびとの中にあるのを感じたまえ。
  そのとき、生の晴れやかな泉がきみに湧き出てくれますように
  (「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」登張正實訳『ゲーテ全集』8所収、潮出版社)
 結びに、愛する沖縄青年部に希望あれ! 勝利あれ! 栄光あれ! と申し上げ、記念のスピーチとしたい。

1
8