Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

ニューヨーク文化会館の集い(1) 右手に勇気のたいまつ 左手に正義の哲学

1996.6.15 スピーチ(1996.6〜)(池田大作全集第87巻)

前後
8  「自由の女神」の「たいまつ」は世界を照らす
 ニューヨークと言えば「自由の女神」。その「たいまつ」の光は、アメリカはもちろん、世界の「自由」の未来を照らしている。
 (像の正式の名前は「世界を照らす自由」。アメリカ独立百周年の折、フランスから友情をこめて贈られた)
 この女神像の作者は、だれか。それはフランスの彫刻家・バルトルディ(一八三四年〜一九〇四年)である。
 ちなみにバルトルディのサインが入った「自由の女神」像のデッサンは、今、創価大学の重宝の一つとなっている。
 じつは、「自由の女神」の顔は、作者バルトルディのお母さんがモデルであると言われている。苦労して自分を育ててくれた母――彼は、感謝の思いを、かたちにしたかったのかもしれない。
 また、子どもにとって、母の顔は一番美しく、尊いものなのかもしれない。
 女神は、右手に高らかに「自由のたいまつ」を掲げ、左手に「独立宣言書」を抱えている。
 このポーズは、バルトルディが若き日に見た一人の乙女の姿が、もとになっているという。
 野心の権力者ルイ・ナポレオン(ナポレオンの甥)に抗議して、民衆が立ち上がった(一八五一年)。権力側のバリケードを前にして、人々が立ちすくんだ時である。突然、夜の闇を破って、たいまつを掲げた乙女が出現した。
 「前進!」。叫びつつ、彼女はバリケードを飛び越えた。その瞬間、銃声が鳴り響き、乙女は倒れた。
 しかし、彼女のたいまつは、バリケードに燃え移った――。
 この無名にして、崇高なる乙女の姿が今、「自由の女神」としてそびえ立っているのである。
9  「太陽の仏法」が生老病死の闇を破る
 今の世界にも、希望がない。展望がない。哲学がない。日本をはじめ、前途に明るい光明がない。経済も、政治も、環境問題、人道問題も、すべてが行き詰まっている。その根本の「人間」自身が行き詰まっている。
 だからこそ、私ども地涌の菩薩が出現したのである。だからこそ日蓮大聖人の「太陽の仏法」が、どうしても必要なのである。
 私どもは今、右手に「勇気」のたいまつを高らかに掲げ、左手に「正義」の哲学を抱きしめて、立ち上がった。生老病死の闇を破り、社会と世界の闇を豁然かつぜんと破って、行動を始めたのである。
 世界の中心地である、ここニューヨークの皆さまこそ、その「勇気」と「正義」の模範であっていただきたい。
 ニュー「ニューヨーク」(新しきニューヨーク)の希望の未来を祝福し、本日の記念のスピーチとしたい。
 皆さま全員の「前進」と「健康」と「幸福」と「裕福」と「無事故」を、心よりお祈りします。
 きょう、お会いできなかった大切な同志に、くれぐれもよろしくお伝えください。
 ニューヨーク、おめでとう! ありがとう!

1
8