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第二十回SGI総会、二十一世紀兵庫希望… 「無限の希望」を全人類に

1995.10.17 スピーチ(1995.5〜)(池田大作全集第86巻)

前後
14  私たちは語り合った。「困難な環境にどのように対応するかが、文明創造のバネとなる」と。
 博士の歴史観の一つの結論は、「挑戦と応戦」の理論である。″自然をはじめとする環境が人間に試練を与える時、その挑戦に屈服せず、雄々しく応戦しゆく、たくましき社会から、新しい文明が生み出される″という洞察であった。
 その意味で、ここ兵庫は、大震災の大試練を乗り越え立ち上がってこられた。その不屈の精神は、やがて日本をリードし、二十一世紀の文明の大きな核となっていくことを、私は確信してやまない。一つの縮図として、日本の将来にとって非常に重要な焦点が兵庫であると私は思う。
15  文明を決めるのは「宗教の質」
 また博士は、「文明はその基盤をなす宗教の質によって決まる」と強調されていた。
 そして「新しい文明を生み出し、それを支えていくべき未来の宗教というものは、人類の生存をいま深刻に脅かしている諸悪と対決し、これらを克服する力を、人類に与えるものでなければならない」と。
 壮大な文明論の次元から、宗教の重大な存在意義を理解されていたのである。
 だからこそトインビー博士は、仏法の人間主義を基調とした、私どもの「平和」と「文化」と「教育」の運動を信頼し、熱い期待を寄せてくださっていた。
 ご自身の文明論、歴史観の結論として、創価学会に着目され、私どもの運動の発展を、こよなく楽しみにされていたのである。
 対談を終えるにあたって、「私個人に何か忠告がありましたら」とたずねたところ、博士はこう語られた。
 「私は″机上の学者″に過ぎません。しかし、あなたは大乗仏教の実践者です。″実践の人″に″机上の学者″がアドバイスするなど、おこがましいと思います。どうか誰が何といおうとも、その道をまっすぐに堂々と歩んでください」
 少しも尊大さのない、謙虚な博士であられた。
16  また博士は確信されていた。「知識」がとまどい、後ずさりするところにも、「希望」は敢然と足を踏み出す。そして、未来の果てまで生命を輝かせながら、なにものにも屈せず進んでいく──と。
 希望が力である。希望は「勇気」と「知恵」から生まれる。「知識」だけからは生まれない。
 そして信心とは「無限の希望」を生む知恵である。「永遠の希望」を生む知恵である。
 わがSGIは、どこまでも「希望」の光で、人類の闇を照らしてまいりたい。希望輝く創価(価値創造)の文明を築いてまいりたい。
 SGI各国のご繁栄と、皆さま方のご多幸、ご健康、ご活躍を、心からお祈りして、本日のスピーチを終わります。ありがとう!

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