Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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日本・ブラジル合同研修会 「民衆が主人」の社会への逆転作業

1995.8.8 スピーチ(1995.5〜)(池田大作全集第86巻)

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17  戸田先生が「心して政治を監視せよ」と訴えたのも、民衆が〈主人〉として、政治家という〈使用人〉がちゃんと働いているかどうか監督せよ、目を離して悪いことをさせてはならないという意味であった。
 ローマの雄弁家・大カトー(紀元前二三四年〜同一四九年)いわく「あらゆる専制君主は人間を食う」。この権力の魔性を抑える戦いである。
 そのために民衆を賢明にする戦いである。「人民を奴隷化するものは王侯・貴族ではなく、また地主・資本家でもない。人民を奴隷化するものは人民自身の無知である」(ヘンリー・ジョージ)という言葉もある。
18  「民衆本意の社会」こそ「世界市民の集い」
 「新しい人間」をつくる私どもの運動は、政治だけでなく、文化、社会の全般にわたる。一切の根底にある「精神の大地」を耕す運動である。
 「民衆本位」の社会。「人間本位」の文化。それこそ日蓮大聖人が志向された「新しい世界」である。
 「戦後五十年」といっても、「近代百二十七年」の歴史の中で考えなければ本質はわからない。近代の出発から、また、それ以前から引きずっている〈主人─奴隷〉関係のゆがみをただすことこそ、日本の課題であり、そこに私どもの民衆運動の重大な意義がある。
 国際連盟の提唱者、アメリカのウィルソン大統領は言った。
 「民族は上からではなく、下から更新される。無名の人たちのなかから出現する天才こそ、民衆の若さと精力を蘇生させる天才である」(「新しき自由」)
 皆さまこそ、社会を土台から改革している真の変革者であられる。
 「民衆本位の日本」。それこそ、世界の民衆と平等にスクラムを組める「世界市民の集い」の社会である。その建設者、先駆者の皆さまに敬意を表し、本日の研修としたい。

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