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日蓮大聖人・池田大作

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第5回四国総会、第1回徳島栄光躍進総会… 「正義」の闘争で「大歓喜の生死」を

1994.12.4 スピーチ(1994.8〜)(池田大作全集第85巻)

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17  この阿波踊りによる″民衆のエネルギーの沸騰″を、支配者は恐れ、抑えようとしてきた歴史がある。
 江戸時代、武士は阿波踊りに参加することを禁じられた。武士と庶民が、「同じ人間」として一体となって踊ることは身分体制にとって都合が悪かったのである。
 反対に毎年正月には、武士を集めて城内の大広間で能の鑑賞が行われた。その末席には、町人の代表が座らされた。
 ″武士は踊りのような下品なものでなく、こういう難解な芸術を楽しんでいるのだ。庶民とはちがうのだ″と見せつける狙いがあったと指摘する人もいる。
 日顕宗の儀式主義も同じである。さも深遠な何かがあるかのように見せかけて、自分たちの空虚な実体を隠そうとしているのである。(拍手)
 どんなに抑圧しようと、阿波踊りという民衆の躍動を抑えることはできなかった。
 第二次大戦中は、自粛を余儀なくされたが、戦後すぐに(昭和二十一年)復活。焦土にあって、徳島の人々は、阿波踊りとともに復興の歩みを始めたのである。
 だれもが体を動かしたくなる、あのリズム! 窮屈な決まりもなく、皆が自然に、皆が自由に舞える開放性! 今や、阿波踊りは、世界の踊りである。日本における「リオ(ブラジル)のカーニバル」という人もいる。
18  六年前、マレーシアで、日本との合同の記念公演が、民音などの共催で行われた。私もマハティール首相をご案内して出席した。(一九八八年二月六日、クアラルンプールのムルディカ・ホールで開催)
 演目の華の一つは、阿波踊りであった。舞台では、あの編み笠に、あざやかな着物姿の女性たちが、快活に、優美に舞い踊った。
 舞が終わった。満場の拍手である。女性たちが、編み笠をはずして拍手に応えた。その瞬間、場内がどよめきに揺れた。日本の女性たちと思っていたのに、多くのマレーシアの女性が入っていたからである。
 その感動の光景は、今も忘れられない。
 これから皆さまが、SGI(創価学会インタナショナル)の友との交流をされる機会も増えると思う。海外に行かれる場合でも、この阿波踊り一つあれば、語学ができなくてもこわくない(笑い)。海外の友も知っているし、友好を結ぶ力は抜群である。
 この郷土の誇りを披露しながら、今後いよいよ「世界との交流」を、自信をもって広げていっていただきたい。(拍手)
 最後に、きょうは徳島の創価同窓の皆さんが参加されている。お会いできて、とてもうれしい。また感謝したい。その皆さんに贈りたい言葉がある。
19   真玉焼不熱(真玉は焼けども熱せず)
  宝剣拗不折(宝剣は拗げれども折れず)
 (真の玉は、いくら焼いても熱くならない。宝剣は、いくら曲げても折れない。同じように、真の人間、力ある者は、決して屈しない)
 ──唐の詩人、顧況こきょうの言葉である。
 この一節をお贈りし、きょうの記念のスピーチを終わりたい。ありがとう! 長時間、ご苦労さま!
 (徳島文化会館)

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