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日蓮大聖人・池田大作

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イタリア最高会議 ルネサンスとは「希望」「生命の春」

1994.5.29 スピーチ(1993.12〜)(池田大作全集第84巻)

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10  モロワ″一人の人間革命は地球をもくつがえす″
 現在、私は小説『新・人間革命』を執筆している。小説『人間革命』も、全国、全世界を転戦しながら私は書いた。
 日本では先日、九州、東京、関西で「小説『人間革命』展」が開かれた。関西展では、私の口述を筆記するために使った小さな机も特別展示された。
 「人間革命」は二十一世紀の要請である。それは世界の最高峰の知性の一致した認識となっている。
 かつてフランスの作家アンドレ・モロワは書いた。
 「最も深い革命は精神的なものである。精神的革命は人間を変革し、こんどはその人間が世界を変革する」(『初めに行動があった』大幸男訳、岩波新書。以下、引用は同じ)
 近代の歴史にはフランス革命もあった。ロシア革命もあった。それらよりも、もっと根本的な革命が、人間革命の運動なのである。
 「真の革命はただ一人の人間の革命であるといわれている。より正確にいえば、ただ一人の人間も、──それが英雄であれ聖者であれ、──大衆に一つの手本を提供することができるし、その手本の模倣は地球をもくつがえすであろう」
 「一人の人間革命」を手本に民衆が続いていくとき、世界は変わる、と。小説『人間革命』のテーマにも通じる。「人間革命」という大道を行く師弟が歴史を変えるのである。
 「偉大な行動人は踏みならされた道をたどるものではない。
 彼は他の人びとが見ないことを見るから、他の人びとがしないことをする。
 彼の意志は高潮となって、習慣や抵抗を一掃する」
 人々は、はじめは先駆者の行動が理解できない。あとになって、少しずつわかってくる。しかし、「偉大な行動人」は、だれが理解しようとしまいと、一人、なすべきことを断固としてなす。
11  創価学会は「人間革命の団体」である。宗門は「人間破壊の邪教団」である。
 御書にも仰せのごとく、彼らは人を″たぶらかす″「魔」なのである。魔とは徹底的に戦う以外にない。戦いが中途半端であれば、こちらが魔にやられる。
 学会は「人間革命の団体」であるゆえに、その幹部は、だれよりも真剣に「自分自身の人間革命」に取り組まなければならない。
 人ではない、自分である。リーダーが人間革命した分だけ、地域の広宣流布は進む。それが小説『人間革命』、『新・人間革命』の心を実践したことになる。
 ここにおられる方々にしても、生まれはイタリア以外の方もおられる。しかし、こうして不思議にも、ともに集い、イタリアの永遠の幸福のために、広宣流布へと働いておられる。深き縁の方々である。ゆえに、どこまでも仲良く、あくまでも仲良く生き抜いていただきたい。
12  フィレンツェが生んだ天才ダンテは歌った。
 「天は諸君を招き永遠の道をしめしながら、
 きみの周囲を廻っているのに、
 諸君の目は地面のほうばかりを眺めている」
   (『神曲』浄罪篇第十四歌、野上素一訳、『世界古典文学全集』35所収、筑摩書房)
 何があっても、目を大きく大空へ向け、太陽に向け、二十一世紀へと向けて、心広々と、さわやかな青春の息吹で、一生を生き抜いていただきたい。
 きょうは本当におめでとう。
 (イタリア・フィレンツェ市内)

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