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日蓮大聖人・池田大作

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第五十二回本部幹部会、中央・千代田ルネ… ″自由の春″″行動の春″が来た!

1992.3.10 スピーチ(1992.1〜)(池田大作全集第80巻)

前後
12  ところで、私がバルコ大統領に初めてお会いしたのは、同じ年の十二月、大統領の来日された折である。(この会見の席上、大統領から名誉会長に「コロンビア共和国功労大十字勲章」が贈られた)
 会見の少し前、コロンビアの首都・ボゴタで爆弾事件が起こり、多数の死傷者が出た。海外訪問中の惨事に、大統領の宿舎は緊迫感に包まれ、報道関係者とのやり取りなどで、ごった返していた。私はあいさつだけで失礼しようと気遣ったが、大統領はそうした状況にもかかわらず、真心を込めて出迎えてくださった。
 私は大統領に、お見舞いとともに、心からの励ましを贈った。
 「指導者は『柱』です。柱が厳然としていれば、民衆の家は揺るがない。指導者は『橋』です。怒濤逆巻く社会にも、『希望の橋』があれば、人々は安心です。大統領は、まさに、その存在であられる。どうか、お体を大切に、コロンビアの国民のために、ますますのご活躍をお祈りしたい。私どもも″同国民″の思いで、貴国のために貢献してまいります」と──。
 約一年半後(一九九一年六月)、私たちは、ロンドンで再会した。前大統領は、東京での出会いを「生涯忘れ得ぬ思い出です」と、懐かしそうに振り返っておられた。その笑顔は、「苦難を乗り越えた誇り」に輝いておられた。
13  「つねに語り合う」のが大聖人門下
 大統領も大使も「対話」を大事にされた。仏法者もまた「対話」を命とする。
 大聖人は仰せである。
 「常にかたあわせて出離生死して同心に霊山浄土にてうなづきかたり給へ」──常に語り合って生死の苦しみを離れ、同心に霊山浄土においてうなずき合って話しなさい──と。
 常に「語り合い」「励まし合い」、ともに幸福の方向へと歩んでいきなさいと教えられている。いくら一人で仏法を行じているつもりでも、その仏法を人々に語らない。広布のために動かない。同志を激励もしない。これでは大聖人の仰せ通りの実践とはいえない。
 座談会や個人指導、また友人との対話──。こうした私どもの御聖訓通りの行動を、大聖人が御称賛くださることは間違いない。
 「対話」「話し合い」を無視した一方通行のやり方は、明らかに大聖人の仰せに反する。師への反逆という謗法なのである。
14  心に「勇気の松明」を燃やせ
 インドの詩聖・タゴールに「ひとり歩む」という詩がある。
   君の呼びかけに、だれも答えないならば 
   君よ、我が道を一人
   皆が恐れをいだいて沈黙するならば
   君よ、開いた心と恐れなき声をもって、ただ真実のみを語れ
  
   暗いあらしの夜に
   だれも松明たいまつに火をつける者がなく
   とびらをたたく君に
   だれ一人として応じる者がいなくとも
   君よ、失望してはならない
   いかずちが激しくとどろくなかで
   我が心の松明に火をつけ
   一人、暗闇くらやみのなかで火を燃やせ
 「学会精神」に通じる、この詩を、本日のお祝いとして皆さまに贈りたい。
 ″私は生涯、創価学会員として生き抜く。今世の使命を断じて果たす″──こう決めて進んだ人に栄冠は厳然と輝くにちがいない。また、こう決意の炎を燃やした一人がいれば、その地の広宣流布は盤石である。
 いよいよ春が来た。行動の季節が来た。交通事故や火災にくれぐれも注意しながら、はつらつと毎日を勝利していただきたい。
 「健康」で「長生き」して、人生を「楽しんで」「仲良く」、そして、それぞれの使命を達成していかれんことを、心から念願し、本日のスピーチを終わります。長時間、本当にご苦労さま!

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