Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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創立記念勤行会・東京総会 全人類の幸福へ創価の黄金道を

1991.11.17 スピーチ(1991.10〜)(池田大作全集第79巻)

前後
13  ガンジーは大衆の言葉を語り、大衆に目を向けた
 ネルーはこの本のなかで、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの偉大さを、こう述べている。
 「(ガンジーの登場は)旋風のごとくであり、多くのものをくつがえし、とくに民衆の心の持ち方を一変させた。彼は天上から降ってきたのではなかった。彼はインド幾千万の大衆の間から現れ出て来たという様子で、大衆の言葉を語り、目を絶えず大衆とそのすさまじい生活に向けていた」(『インドの発見』辻直四郎・飯塚浩二・蝋山芳郎訳、岩波書店)
 すなわち、″救ってやろう″などと、相手を見下した傲慢な心で、民衆と接していたのではない。どこまでも同じ立場に立って、ともに悩み、ともに苦しみながら、人間の真実を見つめようとした。だから偉大なのだと。
 戸田先生の姿をほうふつさせる一節でもある。
 人間はすべて平等である。人を見下す権利もなければ、人から見下される義務もない。この当たり前のことを、当たり前に実践してこそ「人間性」であり、そこに仏法者の根本精神もあると思うが、どうだろうか。
14  そして、ガンジーが、すべての民衆にもたらした最も大きな″贈り物″とは何であったか──。
 ネルーは、こうとらえる。それは″心のなかに恐怖を宿すな。恐れるな。恐れることなど何もない″と教えてくれたこと。軍や秘密警察、官吏、そして牢獄へと追いやる法律、それらへの恐怖の妄想を、「真実」を示すことによって打ち破ってくれたことであったと。
 つまり「恐怖」の呪縛じゅばくは「ウソ、偽り」によって生ずる。「無知」と「恐れ」はセットになっている。「恐れぬ勇気」は「真実を知ること」に基づく。ゆえに「真実」をわきまえれば、「恐怖」は消え去るのだと。
 真実を見抜く知性に支えられた″恐れない心″は、精神を自由へと解放する。そして自らの境涯を、どこまでもどこまでも、伸びやかに広げていく。
 この″恐れぬ心″″師子王の心″を、我が生命の中からわきあがらせていくのが、広宣流布への信心なのである。
 創立七十周年を目指し、また明年の創立記念日を目指して、本当に自分らしく、悔いなく、強く、正しく、伸び伸びと、朗らかに生き抜いていかれんことを心からお願いし、記念のスピーチを終わります。
 全国の皆さま、きょうはお休みのところ、ありがとう! ご苦労さまでした!

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