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日蓮大聖人・池田大作

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第四十六回本部幹部会、第十九回婦人部幹… 「一人の幸福」に尽くしてこそ仏法

1991.9.17 スピーチ(1991.7〜)(池田大作全集第78巻)

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12  ヴィーゼル博士「不正への沈黙は最大の罪」
 アメリカの著名な作家であるエリー・ヴィーゼル氏については、先日(九月八日)、鳥取でも紹介させていただいた。
 氏は現代における最高峰の作家の一人といわれ、「ノーベル平和賞」を受賞(一九八六年)されている。
 ヴィーゼル氏が十五歳の時、氏の一家は、多くのユダヤ人とともにアウシュヴィッツ強制収容所に送られる。
 お母さんと妹さんは、無残にも、そこで殺されている。お父さんも他の場所で犠牲になった。
 氏の文学には、幼少期の記憶や体験が、大きな位置を占めているといわれる。とくに、アウシュヴィッツでの体験は、氏に決定的な影響を与えた。
 ヴィーゼル氏が、かの強制収容所から生還し、生きぬいてきた力の源泉は何か――。
 氏によれば、それは、「(=収容所で起きた事実を)『証言』し、『証明』する使命があったからだ」と。また、「『記憶すること』『忘却しないこと』は、殺された人々に対する現代の世代の責任である」と。
 氏は誓った。そして生きた。六百万人ともいわれる犠牲者の声を代弁すること、それが「悪」に虐げられた者の使命である、と――。
 ″証言″が大事である。″歴史″が未来を照らす。
13  「ノーベル平和賞」の受賞にさいしては、「世界の不正と戦う運動は、最後には勝利する」というヴィーゼル氏の信念が、高く評価されたといわれる。
 氏は叫ぶ。「不正を前にして、無頓着な沈黙は最大の罪だ」と。
 まさに、そのとおりと思う。私も一人、真実を語りに語り、叫びに叫びぬいてきた。御書に仰せのままに。戸田先生の指針のとおりに。大切な皆さまの幸福のために。
 断じて、沈黙していてはならない。叫びきってこそ、「正義」の人である。語りぬいてこそ、「真実」に生きる人生である。
14  「苦楽ともに思い合せて」創価家族は快活に進む
 最後に、ふたたび御書を拝したい。
 「苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへさせ給へ、これあに自受法楽にあらずや、いよいよ強盛の信力をいたし給へ
 ――苦を苦と悟り、楽を楽と開き、苦しくても楽しくても南無妙法蓮華経と唱えきっていきなさい。これこそ自受法楽(仏がその悟りの境地を自ら受け楽しむこと)ではないか。ますます強盛な信力を出していきなさい――と。
 人生、「楽」ばかりであるはずがない。「苦楽」があればこそ、人生は味がある。価値も生まれる。充実もある。大聖人は「苦楽ともに思い合せて」と。私どもの進むべき道は、すべて、この仰せに尽きている。何があろうとも、この大聖人のお言葉のままに、悠々と歩みぬいていただきたい。(拍手)
 私どもは、仏意仏勅の広宣流布に進みゆく、誉れの「創価家族」である。三世永遠に崩れざる、幸福の「創価家族」である。どうか、本年の総仕上げの活動も見事に勝利し、ともどもに、最高のお正月を迎えていただきたいことをお祈りし、本日のスピーチとしたい。ありがとう! お元気で!
 (創価国際友好会館)

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