Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

学生部・教育部合同総会 教育が人間を、人間が世界を変える

1991.9.3 スピーチ(1991.7〜)(池田大作全集第78巻)

前後
14  ユゴー「僧侶の侵略から未来を守れ!」
 ところで、きょうは『レ・ミゼラブル』の歌の合唱をありがとう(拍手)。いつ聴いても本当にすばらしい歌である。本年の学会創立記念の式典では、学生部をはじめ青年部が記念の演奏を行ってはどうだろうか。(拍手)
 さて『レ・ミゼラブル』でもそうだが、大文豪ユゴーは徹底して「人間主義」のために戦った。「民衆の勝利」のために叫び続けた。
 戸田先生と私が、ユゴーを愛読したのも、その「心」に「心」が共鳴したからである。
 そのユゴーは、「文明という光明」は「二種類の洪水」によって消される――と言っている。
 (『追放』〈『ユーゴー全集』第十巻、ユーゴー全集刊行会〉に「文明なるこの光明は、二様の洪水に依って消される、兵士の侵略と僧侶の侵略、この二つの侵略は文明に危険である。一つは我等の母、祖国を脅威し、他は我ら等の子、未来を脅威する」「領土の不可侵権と良心の不可侵権、この二つの者は、文化したる国民の最も貴重な二つの財産である。その一を軍人が侵略し、その一つを僧侶が侵略する」とある)
 ――一つは「兵士の侵略」であり、一つは「僧侶の侵略」である。この二つの侵略は文明にとって危険である。「兵士の侵略」は、われらの母・祖国を脅かし破壊する。「僧侶の侵略」は、われらの子ども、未来を脅かし、破壊する。
 また、「領上の不可侵権」と「良心の不可侵権」は、文化的な国民の最も貴重な二つの財産である。その一つ(領土)を兵士が侵略し、もう一つ(良心)を僧侶が侵害する、と。
 ユゴーの断罪は厳しい。ユゴーの憤りは激しかった。「黙っていられるか!」と血潮がたぎっていた。
 彼が″未来を壊し、良心を侵害する″と責めたのは、「狂信」である。人間のためのはずの宗教が、いたずらに人間を苦しめ、破壊するにいたる――その脱線を彼は許さなかった。「狂信」が自分だけにとどまっているならば、まだよい。せめて、人に迷惑をかけなければ――。
 しかし「狂信」が、明らかな真理と理性に敵対し、「聡明」に対して「暴行」を加え、力ずくで抑えつけようとすることは、断じて見すごせない。戦慄すべき人類への犯罪だ、と彼は怒る。そして戦った。
15  たしかに「狂信」が自分の領域内にとどまっているうちは、なんとか我慢もできよう。しかし、狂信が、今日のように、皆に「精神的暴行」を加え始めるのであれば、それは絶対に許すことはできない。(拍手)
 大切な御本仏の仏子である。いじめられるのを黙っていては、御本仏に叱られる。
 大切な俺就が「広宣流布の組織」である。破壊の後がを前に、断固、戦わなければ、大聖人、日興上人にお叱りをこうむるであろう。牧口先生、戸田先生が嘆かれるであろう。
 ゆえに立たざるをえない。このままでは日蓮大聖人の「正法」が法滅してしまう。この時に戦わずして、いつ戦うのか。地涌の証明を果たすのは今である。諸君も聡明に、″時″を自覚していただきたい。(拍手)
 大聖人が、われわれ衆生のために残してくださったのは「全民衆の幸福の道」であり、「万年ヘの希望の道」である。権力化して、人を苦しめる道ではなかったはずである。
 この「幸福と希望の大道」を行く前進を、狂信の徒に邪魔させてはならない。だれよりも勇敢に、そして世界最高の哲学を持った「知性の学徒」らしく、だれもが納得し、安心できる、明快な、さわやかな前進をお願いしたい。(拍手)
16  私は毎日、諸君の無事、成長、幸福を一生懸命、祈っている。皆のご先祖の追善も行っている。諸君には長い将来がある。どこまでも朗らかな青春、朗らかな人生であっていただきたい。また私ども先輩は、未来を諸君に託す以外にない。未来はすべて諸君のものである。
 最後に「大切な『創価学会』の将来を万事よろしく」と申し上げ、祝福のスピーチとしたい。
 きょうは、本当にありがとう! おめでとう!
 (創価国際友好会館)

1
14