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日蓮大聖人・池田大作

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海外派遣メンバー、各部代表者協議会 「人間」を見よ!善は「人格」に現れる

1991.4.12 スピーチ(1991.1〜)(池田大作全集第76巻)

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18  この妙法を根本として、社会に″価値の花園″を広げているのが、私ども「創価学会」の実践である。ご存じのように、学会の初代会長である牧口先生は、その生涯を「教育革命」にささげられた。
 牧口先生について、日淳上人は「(=牧口)先生には宗教は即教育であり、教育は即宗教であったのであります」と述べられている。
 「法華経に、遣使還告(=仏の使いとして真理を伝える者)の薩埵さった(=菩薩)ということがありますが、仏の道を教育に於て実践された、此れが先生の面目であると私は深く考えておるのであります」
 「従来、仏法に於て価値という考え方は、なかったかと私は思いますがここに先生の一歩進んだ仏法があったのではないか、今の世に一切の人々を導く尤も適宜な行き方を示されたのではないかと思うのであります」と称讃されている。(昭和二十二年十月、創価学会第二回総会。『日淳上人全集』)
 教育の究極は、宗教的真理を志向する。そして、宗教の肉化、内面化は、人間教育に開花しよう。時間の関係上、詳細は省かせていただくが、総じて、その他の人間文化も、基本的には同様である。
 「妙法の大地」から広がる、仏法基調の文化・平和・教育の大運動――。学会の前進の正しさは、御書に照らし、日淳上人のお言葉に照らし、間違いない。社会の中に展開しゆく「仏の道の実践」なのである。
 また、先の御文では、妙法はあらゆる河川を受け入れる「大海」と教えられている。
 世界には、さまざまな学問、哲学、論議があるが、人類の最大の難問である生命の本質、「幸福」の確立という根本課題には解決を与えていない。
 大聖人は次のようにも仰せである。
 「外典の外道・内典の小乗・権大乗等は皆己心の法を片端片端説きて候なり、然りといへども法華経の如く説かず
 ――仏法以外の教典、また仏法の小乗教や権大乗教等は、みな己心(わが生命)の法を片はし片はし説いている。しかし法華経のようには説いていない――。
 法華経は生命の全体観を説き、他は部分観にすぎないとの言と拝される。
 あらゆる川は海にあこがれ、滔々と流れ込む。同様に、部分観は全体観、根本的哲学を志向する。
 現代世界の最先端の思想家、学者等が、正法を行じる私どもに着目し、会うことを求めてくる。深い理解と期待を寄せてくる。私も、そうした方々とできる限りお会いし、率直に語り合ってきた。こうした世界的動き自体、私どもが、「妙法は大海の如し衆流を納む」との御金言を正しく実践している一つの証左といえよう。
 大聖人の「大海の仏法」はあらゆる優れた思想、哲学を包含している。決して排他的な、また偏狭なものではない。先駆的な各分野の学問の成果も、すべて妙法を証明していくことになるのである。
 さまざまな川も、海に入れば、一つの海の味になるように、人類の根本的幸福へと、それらは仏法の一分として使われ、生かされていく。
19  さらに、妙法は「四天下を照す」太陽であり、月である、と仰せである。
 地域や民族の違いにかかわりなく、日月は人々を照らす。「平等」である。一部の人々のみ照らす日月などない。
 国境、民族、イデオロギー、階層等の差別を超え、また時代を超えて、「全人類」(一切衆生)を救い、永遠に栄えさせていく。「全世界」(一閻浮提)のための仏法が大聖人の仏法である。
 この御金言どおり、「全人類」「全世界」に、妙法の「日月」の大光を届けたのは、わが創価学会である。この短い御文からも、私どもの前進の正しさを確信していただきたい。
20  世界に「人間性の王香」を届ける
 最後に、ある初期の経典の一節を紹介したい。
 「華の香は風に逆つて薫らず(中略)しかるに善人の香は風に逆つて薫ず、善士は一切の方に薫る」(『法句経』荻原雲来訳註、岩波文庫)と。
 ――花の香りは風に逆らってはかおらない(中略)しかし、正法を行じる善人の香りは風に逆らってかおる。善き人は、すべての方向にかおる――。
 「薫陶」という言葉があるが、「人格」は、よきにつけ、悪しきにつけ、その周囲に香りのような影響を及ぼすものである。
 近づき、接しているうちに、知らずしらずのうちに、その香りが″移り香″のように身についていく。よき「人格」の周りには、いつも芳しい″春の香り″がただよう。
 釈尊は、ここで、「善人の″心の華″の香りは、風にも散じない。強き風にも逆らって、あらゆる方向に、″よき香り″を届ける」と。自然の華は美しいが、「人華」の集いはさらに美しい。いかなる風が吹こうとも、その風に逆らって、世界に「人間性の王香おうこう」を届ける。
 私どもは、信仰によって、自身の人格を磨きに磨きながら、身近なところから人間性の芳香を広げてまいりたい。その足もとの実践が即、「人間性の世紀」を求める人類の運命の転換に直結しているのである。そのことを申し上げ、本日のスピーチを結びたい。
 (学会別館)

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