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日蓮大聖人・池田大作

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第十三回全国婦人部幹部会 尊貴なる広宣の母に

1990.9.12 スピーチ(1990.8〜)(池田大作全集第75巻巻)

前後
13  戦時中、ポーリング博士夫妻は、長男を戦場に送っている。そうした経験をもつ母親としての思いもこめ、エバ夫人は、戦後、夫とともに平和への行動を開始する。「息子を苦しめた戦争を二度と起こしてはならない」「平和のために戦おう」と決意し、核兵器廃絶への活動に立ち上がる。
 「核の力」に対する「精神の力」の戦い――。夫妻は健気にも、二人三脚で新しい使命の道を歩み始めたのである。
 しかし、尊き無償の行動を続ける夫妻に、さまざまな理不尽な圧迫が加えられた。
 一九五〇年(昭和二十五年)から数年間、アメリカでは、マッカーシー旋風(=マッカーシー上院議員らによる、共産主義をはじめとする思想・言論への弾圧)が、暴風雨のように吹き荒れた。そのなかで、ポーリング博士は何回も取り調べを受け、外国にも行けないように、パスポートも没収された。また大学でも学科長の職を解任され、給与も減額。さらに、研究室を明け渡すよう迫られたのである。
 ――このことは、対談ではさらに詳細に語られているが、ここでは割愛させていただく。
 こうしたなかにあって、なぜ博士が正義の信念を貫きとおすことができたのか。
 博士は、こう言われた。「核兵器反対の立場をとるという決断をうながす決め手となったのは、妻から変わらぬ尊敬を受けたいという私の願いでした」と――。
 夫妻は、平和への強い″同志愛″で結ばれていたのである。(拍手)
 まことに、夫婦において「女性は弓」「男性は矢」である。女性が毅然としていれば、男性も勇んで人生の軌道を正しく歩んでいける。反対に、女性がくじけてしまえば、男性も堕落していってしまう。
 信仰の世界にあっても、信心の立派な壮年は、それ以上に信心強盛な夫人に支えられている場合が多い。逆に背信者、退転者の場合は、夫人の信心も弱く、広布の活動を避けていたり、また見栄っぱりで世間的な虚栄にとらわれているケースがほとんどである、と言ってよい。
 その意味で、婦人部の皆さまの使命は、まことに重大である。これは、この四十年間、さまざまな方々の信心の姿を見てきた私の結論である。どうか、賢明にして毅然たる信心を貫く、婦人部のお一人お一人であっていただきたい。(拍手)
14  現在、ポーリング博士は、夫人との思い出が刻まれたカリフォルニアのビッグ・サーにおられる。広大な太平洋を眼下に望むこの地で、情熱的に研究を続けておられる。
 その研究は、夫人の命を奪った病気・ガンに対する壮大な挑戦である。″ガン撲滅″への決意も固く、八十九歳の今も若々しく仕事を続けられている。
 博士は、私との対談の一つの結論として、「民衆は、権威者の虚偽の発言に惑わされてはならない。民衆には、権力者を本来の正しい軌道に乗せる力と責任がある」とされていた。
 そして、「池田会長が、これからも一段と、平和運動を進めていかれることは重要と思います。平和実現の暁には、″こうした人たちの尽力があって、世界の平和があったのだ″と、初めて言えるようになるのです」と、絶大なる期待と信頼を寄せてくださった。(拍手)
 ともあれ、こうした話のなかから何かを汲み取っていただければ幸いである。
15  健康と安穏へ強き祈りを
 皆さま方は、「広宣流布」という最高に尊く、高貴な偉業を進められている仏子である。「仏の子」であり、「仏の使い」である。
 その尊貴なる「広宣の母」である皆さま方を、十方の仏・菩薩、また諸天善神が守護しないわけがない。どうか、この一点を深く深く確信して、進んでいただきたい。(拍手)
 厳しい残暑が続いている。くれぐれも健康に気をつけていただきたい。そして一家一族が安穏に暮らせるよう、お願いしたい。また強い祈りで、病魔を近づけないように、一家の太陽である母として、すべてに気を配っていただきたい。
 私も、皆さま方の健康と無事故、また裕福にして最高の人生を送っていかれるよう、日々、真剣に御本尊にご祈念させていただいている。(拍手)
 どうか、朗らかに、たくましく、そして楽しく語らいながら、この人生を晴ればれと歩んでいかれんことを念願し、本日のスピーチを終わります。長時間、ありがとう。ご苦労さまでした。
 (創価文化会館)

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